2011 Fiscal Year Annual Research Report
口腔内シリカコーティング法の開発とプラーク抑制シランの合成
Project/Area Number |
21390511
|
Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
寺中 敏夫 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (60104460)
|
Keywords | 歯学 / 材料加工・処理 / 表面・界面物性 / シリカコーティング / シランカップリング剤 |
Research Abstract |
研磨したウシ歯冠部エナメル質にPHPS溶液を塗布して自然乾燥後、3%H_2O_2を40μl滴下し、炭酸ガスレーザーを1.0W、10mmで1分間照射し、24時間37℃精製水中保管後、以下の試験に供した。1)エナメル質上に成膜されたシリカ薄膜の耐酸性獲得を0.1mMHCI溶液10ml中に30分間浸漬し、溶出したカルシウムを吸光光度法により検討したところ、カルシウムの溶出量は測定限界付近の値であったことから優れた耐酸性を付与することが示された。2)サーマルストレスを5,000回与えた後、本シリカ薄膜の残存状態をFT-IRにて検討したところ、シリカ膜は歯面上に残存しており、優れた耐久性を有することが示された。一方、対照のGコートは下地のエナメル質に起因するピークが測定され、剥離していた。3)22年度にて合成に成功したて第4級アンモニウム塩の構造を有するシランカップリング剤N-allyl-N-decyl-N-methyl-N-trimethoxysilylpropylammonium iodide(以下、10-I)の口腔常在細菌に対する抗菌活性を、カンジダ菌、歯周病原細菌および騙蝕病原細菌を含む8菌株に対する最小発育阻止濃度(MIC)で検討したところ、A.viscosus、F.nucleatum、L.casei、P.gingivalisおよびP.intermediaの5菌株に対するMIC値は各々200ppm、一方、C.albicans、S.aureusおよびS.mutansのMIC値は400ppmであり、また、10-I処理面の生菌数の減少率は、6.2×10^7CFU/mlでは56.5%、1.1×10^5CFU/mlでは67.1%、1.1×10^4CFU/mlでは92.5%であったことより、10-Iは優れた抗菌活性を有することが示された。 以上、エナメル質に強固に結合して耐酸性を与え、シリカに結合する10-Iは優れた抗菌性を有していたことなどの実験結果より、本PHPSを用いる歯面シリカコーティング法は齲蝕のみならず、高齢者や免疫機能低下者に多発する誤嚥性肺炎などの全身疾患併発の抑制、あるいは予防に繋がることが示唆された。
|
-
-
[Journal Article] Water resistance of newly synthesized hydrophobic silane coupling agent2011
Author(s)
Nihei T, Kunzelmann KH, Ohashi K, Shimizu T, Miyake K, Serita E, Yamaguchi S, Suzuki T, Kondo Y, Yoshino N, Teranaka T
-
Journal Title
The Bulletin of Kanagawa Dental College
Volume: 39(2)
Pages: 114-116
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Water resistance of novel silane having hydrophobic and polymerizable group2011
Author(s)
Nihei T, Kunzelmann K-H, Shimizu T, Ohashi K, Miyake K, Kurata S, Kondo Y, Umemoto K, Yoshino N, Teranaka T
Organizer
International dental materials congress 2011
Place of Presentation
Seoul, Korea
Year and Date
2011-04-29