2011 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管障害患者への地域連携を強化した専門的口腔ケア継続システムの有効性
Project/Area Number |
21390559
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
日野出 大輔 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (70189801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 文昭 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (60195120)
伊賀 弘起 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (40175188)
吉岡 昌美 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (90243708)
星野 由美 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (60457314)
竹内 祐子 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (80457316)
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Keywords | 脳血管障害患者 / 地域連携 / 回復期病院 / 専門的口腔ケア / 発熱日数 / 口腔アセスメント / 口臭 / 歯周病原細菌 |
Research Abstract |
本年度は、現在までに得られたデータをまとめ、脳血管障害患者への専門的口腔ケア介入の効果を検証した。 口腔ケア介入群(12名)へは,歯科医療従事者が1~2週間に1回,回復期病棟で専門的口腔ケアを実施した。口腔状態の評価では介入初診時と約3ヶ月間の口腔ケア介入後に口腔アセスメント(口腔内の汚れ,口臭,口腔乾燥度等)を実施し、介入期間の発熱日数を記録した。細菌学的検査では、上記2つの時点において、口腔ケア前に,残存歯,硬口蓋および左右頬粘膜全体を綿棒にてスワブし、採取検体とした。分析検体中の総菌数,歯周病原細菌数をリアルタイムPCRの手法により測定した。口腔ケア非介入群(12名)についても同様に口腔アセスメント、発熱日数の記録および細菌学的検査を実施し、介入群と比較した。 口腔アセスメント項目を分析した結果、ウィルコクソン符号付順位和検定により介入前後での口臭の改善が確認された(p<0.05)。一方、介入群および非介入群での総菌数の減少者数および歯周病原細菌比率の減少者数を調べ、カイ2乗検定により分析した。その結果、2群間で総菌数の変化に差は認められなかったが、Prevotella intermediaおよびFusobacterium nucleatumの構成比率に関し、介入群で有意に減少した(p<0.05)。観察期間中の発熱有りの者は介入群8名、非介入群10名で有意差は認められなかったが、スピアマンの順位相関係数検定により、介入群の発熱日数と介入後のF.nucleatum菌数および同菌構成比率との関連性を認めた(p<0.05)。 これらの結果は、口腔ケア介入の効果として、誤嚥性肺炎の原因となる歯周病原細菌の構成比率を低下させ、発熱日数を軽減させること、また、口臭産生抑制の効果も期待できることを示唆するものである。
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Research Products
(8 results)