2009 Fiscal Year Annual Research Report
乳がん早期発見のための乳房セルフケア促進プログラムの開発と妥当性の検討
Project/Area Number |
21390587
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
鈴木 久美 Hyogo University of Health Sciences, 看護学部, 教授 (60226503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 浩子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (60158300)
林 直子 東邦大学, 医学部, 教授 (30327978)
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Keywords | 乳がん / 早期発見 / セルフケア / 啓発教育 |
Research Abstract |
1.乳がん検診受診行動の障壁および啓発教育に関する文献調査:国内外における乳がん検診受診行動に関わる障壁等の研究の動向を明らかにすることを目的に文献調査を行った。方法は、PubMed、CHINAL、医中誌を用いて「breast cancer」and「breast awareness or breast cancer screening or breast self examillation」and「barrier or barriers」の用語で2000年以降の文献を検索した。検索結果の要約から、乳がん検診受診行動の障壁に関する文献および啓発プログラムに関する文献を抽出した。その結果、障壁に関する文献が66件、プログラム等に関する文献は24件で、乳がん検診や自己検診に関する障壁を含んだ質問紙(Champion's Health Belief Model Scale ; CHBMS)が既に開発され、数ヵ国で翻訳・使用されていることが明らかとなった。当初は、文献調査の結果をもとに乳がん患者の乳がん検診・自己検診行動の障壁に関する全国調査を行い、乳がん検診受診行動への障壁に関する質問紙を開発する予定であった。しかし、CRBMSが開発されていたため著者の許可を得た上で日本語版に翻訳し、次年度にCHBMSを日本の成人女性に適用し、乳がん検診受診行動に関する日本版質問紙を開発することとなった。 2.セルフチェック乳房モデル指導教材の開発:啓発教育プログラムを効果的に実施するためのセルフチェック乳房モデルを開発することを目的とした。方法は、現存する乳房触診モデルを参考に、研究メンバーと乳がん体験者、乳房ケアを行っている助産師、乳腺専門医とで、(1)埋め込むしこりにバリエーションをつける(深さ、大きさ等)、(2)成人女性のモデルに対する抵抗感を軽減する、(3)持ち運びが容易であるなどの観点から検討を重ねた。その結果、一体型の乳房モデルではなく装着ベストと乳房シリコンに分けたモデルとした。乳房シリコンには1cmと3cmの2種類の大きさで深い部分と浅い部分に深さを変え、4パターンのしこりを埋め込んだ。そして、装着ベストの中に乳房シリコンを入れてセルフチェックできるように乳房モデルを試案した。試案した乳房モデルは、実用化できるように次年度にクリニックや病院に設置し、成人女性から乳房モデルに対する意見聴取を行う予定である。
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