2011 Fiscal Year Annual Research Report
ローベルト・ムージルの文学と中央ヨーロッパの諸都市の研究
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21401019
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
早坂 七緒 中央大学, 理工学部, 教授 (30108104)
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Keywords | ローベルト・ムージル / モデルネ / オーストリア / モラヴィア / 亡命文学 / ウィーン |
Research Abstract |
1、パリにおける調査。(1)フランス国立図書館、映像フォールム、ル・モンド(新聞社)などで、1935年6月に開催された「文化の擁護」(文学者たちの反ファシズム集会)の記録写真、とくにムージルの映像を捜したが、あまり協力を得られず成果はなかった。(2) パリ近郊のVille d’Avrayの市役所にて、スイス亡命時代のムージルのメセナであったChurch夫妻の別荘Villa Churchの資料を得る。(3) Church邸の設計図、写真などについてはパリにあるFondation Le Corbusierにて多数の電子データを取得した。2、スイスにおける調査は実施しなかった。没後70年にあたる2012年に、すべての資料が公開されると聞き、次年度に繰延べとした。3、ドイツ語ホームページの改修。ローヴォルト社が版権をもつ初版本や新発見の作品について、2012年に版権が切れるため、継続してホームページに掲載することにした。4、クラーゲンフルトにある州文書館にて、Franz Samekの資料収集(ムージル文学館の建物は以前Samek-Hausと呼ばれていたことから)。5、グラーツの州文書館にてAndreas PlachlおよびRusterholzerについて調査。6、ブルノ大学のマレチェク博士の協力を得て、モラヴィア州文書館のMatrikel(古文書の電子データ)解読のためのログイン、Siganturなどを取得。ムージルの先祖の婚姻・死亡記録(ラテン語、ドイツ語)の解読は帰国後の作業となる。7、ウィーンにてムージルの親族、チャキ博士、およびエーアリヒ教授と面会、先祖の肖像のミニアチュール(細密画)を撮影し、親族についての各種情報を交換した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1のパリにおける調査は期待以上の成果であった。4~7は当初の計画にはなかったが、それぞれ有意義な結果を得て、ムージル研究に貢献できた。他方、2,3については次年度に繰り越すことになった。とりわけ6のモラヴィア州文書館の資料の解読はこれから果たすことになる。
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Strategy for Future Research Activity |
1、今年度から公開されるスイス(ジュネーヴ)国立公文書館のムージル関係資料の取得が最優先課題である。 2、モラヴィア州文書館の資料の解読。ムージルの家系図の充実を図る。 3、未調査のムージルゆかりの地、シュタイア、リンツ、バルト海の保養地などの調査。 4、ドイツ語ホームページの拡充と充実。同HPは、国際ローベルト・ムージル学会HPに「日本におけるムージル研究」としてリンクが貼りつけられている。
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Research Products
(6 results)