2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21401020
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
山田 桂子 Ibaraki University, 人文学部, 准教授 (30344831)
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Keywords | インド / テルグ語 / ドラヴィダ諸語 / フィジー / 移民 / 言語調査 / 辞書 |
Research Abstract |
本年度の具体的作業については、4月~7月、辞典のフォーマットに関して、文字フォントや発音記号の表示、品詞表示、訳語、例文、禁則、段組みなどの様式を決める作業を行った。その上で、現段階で入力済みのデータをそのフォーマットに流し込んで成型を行い、辞典完成版のシミュレーションを行い、仮様式を決定した。8月、3週間インドに滞在し、デリーとその周辺に居住するテルグ語話者へのインタビューを行った。またネルー図書館等で文献を収集、最新の研究動向を調査すると同時に、1950年代以前のテルグ語の言語サンプルを収集した。9月以降、本年度研究費で購入したマイクロフィルム・リーダーを用い、これまで収集したマイクロフィルムを確認し、単語の抽出作業をはじめた。12月後半、10日間テルグ人移民の多いフィジー共和国に滞在し、テルグ語の使用状況と言語教育に関するフィールドワークを行った。 本年度は本研究課題の初年度であり、来年度の本格的な長期フィールドワークのための準備期間として、必要なインフラを整えることが中心的課題であった。今回辞典のフォーマットを決定したこと、懸案だったマイクロフィルム・リーダーを購入したこと、来年度のフィールドワーク用に購入したパソコンに、必要なセッティングをインドで行ったことは、そのインフラ部分の整備であり、これは順調に終わった。研究の実質部分は新しい言語データの獲得と入力作業である。これに関しては、デリーとその周辺およびフィジーでの調査を行った。特にフィジーでの調査に関しては、移民言語をサンプルとして含めることが本研究課題の特徴のひとつであり、フィジーでテルグ語の調査は世界的にもほとんど知られていない。今回の調査によってテルグ語話者が独自の移民テルグ語形成以前に、タミル語・ヒンディー語の影響を強く受けてしまっており、母語のシフトが起こっていることなど、いくつかの新たな発見があった。
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Research Products
(2 results)