2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21402023
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長谷部 弘 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (50164835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 基泰 愛媛大学, 法文学部, 教授 (20261480)
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Keywords | 村落社会 / 共同性 / 上塩尻村 / 蚕種業 / 家 / 村 / 比較 / 市場経済 |
Research Abstract |
本年度は、本研究の最終年度であり、調査研究は研究計画に基づいて実施した。ただし震災の影響で実際の調査・研究活動は交通機関が回復した5月以降となった。研究成果は定例の研究会において検討し、それらを学会報告およびコンファランス時に総括した。定例の研究会(6月、7月、8月、12月、2月)および、自治村落論に関する特別研究会(大鎌邦雄氏、12月)を通じて日本の村落論に関する研究を深化させることができた。資料調査は上田市(上塩尻・秋和・下塩尻)と新潟市(角田浜・中郷屋)を中心に実施した。特に上田市では、上塩尻村の史料調査を進める中で新たに隣村秋和村(中島家)と下塩尻村(母袋家)に所蔵されていた勤政期庄屋文書を発見し、その調査・整理・撮影の作業を実施することができた。これによって、比較の準拠枠となる日本の村落的共同性の構造分析を更に深化させることが可能となり、研究プロジェクトを前進させる大きな足がかりとなった。海外比較研究に関しては、他の科研費研究(「西洋における『家』の発見」、科研費基盤研究B、研究代表者:高橋基泰)と合同で開催した国際コンファランス(2011年9月21日東京、9月25日京都、2012年2月17日UK・ケンブリッジ、2月20日ドイツ・ミュンスター)において報告と検討を重ねることが出来、参加した現地の歴史研究者(ケンブリッジ大学:クレイグ・ムルドリコー氏、ジャニーヌ・マエグレイス氏、ミュンスター大学:ウルリッヒ・フィスター氏、ハレ大学ゲオルク・フェルティッヒ氏等)の知見を踏まえて、日本の家村的村落的共同性を基準とした比較の作業を行うことができた。海外調査は、追加の調査を2月にケンブリッジ州立資料館とおよびクロッペンブルク・ムゼアムドルフで実施し、その成果の一部を現地での検討会においてとりあげることが出来た。また研究成果公開として、学会報告(日本村落研究学会10月29日)、市民向けの研究成果報告会(新潟市中郷屋3月18日)等で行った。なお、研究成果は、今後HPを通じて順次公開していく予定である。
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Research Products
(7 results)