2009 Fiscal Year Annual Research Report
白亜紀中期における陸域湿潤化:温室地球システム解明に向けたモンゴル白亜系調査
Project/Area Number |
21403008
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
安藤 寿男 Ibaraki University, 理学部, 教授 (50176020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 卓 金沢大学, 自然システム学系, 准教授 (50272943)
太田 亨 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 講師 (40409610)
長谷部 徳子 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 准教授 (60272944)
高橋 正道 新潟大学, 自然科学系, 教授 (00154865)
長谷川 精 北海道大学, 創成研究機構研究部・JAPEX地球エネルギーフロンティア研究部門, 博士研究員 (80551605)
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Keywords | 白亜紀 / モンゴル / 温室地球 / 湿潤化 / 湖成堆積物 / 陸成層 / 古気候 / 古環境変動 |
Research Abstract |
研究初年度として,ゴビ砂漠南東部において,日本人6名とモンゴル科学アカデミー古生物センターのIchinnorov博士,モンゴル鉱物資源省のDelgertsogt博士とともに,8月中旬に2週間の現地調査を行った.フレンドホ地域のKhukhteg層(アプチアン~アルビアン階),シネフダグ地域とエイデムト地域のShinekhudag層(バレミアン~アプチアン階),ツシレグ地域のTzagantsav層(ベリアシアン~バランジニアン階)からShinekhudag層を調査し,モンゴル南東部における下部白亜系の岩相層序を確認した.各地域の好露出セクションで,岩相を記載しながら岩相層序(1/100柱状図を作成)を確立し,有機化学・同位体比・無機化学分析用試料を適切な層準毎に多数採取した. シネフダグ地域とエイデムト地域のShinekhudag層では厚い湖成の有機質薄葉理泥岩層が連続的に露出しており,数cmから数mにおよぶ異なるサイズの周期的な岩相変化が確認でき,異なる周期の環境変動に対応する堆積周期を表している可能性が指摘される.両地域では貝形虫やカイエビ類化石も多数産しており,湖成環境変動の指標や堆積年代決定に有用となる可能性があるため,その分類の専門家であるGang Li博士(中国)に同定を依頼したところ,エイデムト地域のカイエビ類は中国北東部の湖成堆積盆からの群集との比較から,ジュラ紀中後期である可能性が指摘され,従来白亜系湖成層とされた地層に酷似するジュラ系湖成層の存在が確認された.採取試料の一部は分析を開始し,例えば有機物の炭素同位体比測定では,4‰程度の変動があることが抽出されており,その変動の要因の解析が期待される. これらの成果の一部はIGCP507国際シンポジウムで講演し,北部中国やモンゴルの地質に精通する研究者と,特に堆積年代について議論を行った.
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] Paleoenvironmental and paleoclimatic reconstruction of the Lower Cretaceous lacustrine deposits(Shinekhudag Fm.)in the eastern Gobi Basin, southeast Mongolia : perspective and preliminary results2009
Author(s)
Ando, H., Hasegawa T., Hasegawa, H., Ohta, T., Yamamoto, M., Ichinorov, N.
Organizer
4th International Symposium of IGCP 507
Place of Presentation
熊本大学
Year and Date
2009-12-05
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