2011 Fiscal Year Annual Research Report
島弧深部熟成過程:アルバニア・オフィオライトの地殻ーマントル境界時空変動
Project/Area Number |
21403010
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
森下 知晃 金沢大学, 自然システム学系, 教授 (80334746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 一仁 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90160853)
鈴木 勝彦 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部ダイナミクス領域, チームリーダー (70251329)
芳川 雅子 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教務補佐員 (00378605)
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Keywords | 島弧深部 / マントル / 下部地殻 / オフィオライト / マグマ活動 |
Research Abstract |
本研究の目的は,アルバニアに露出するミルディータオフィオライトなどの研究を通して,日本列島のような島弧深部相当(最上部マントルー下部地殻領域)で起きているマグマプロセスによる海洋プレートから島弧への改変プロセスを解明することにある。 今年度は、これまでの研究に引き続き、ミルディータオフィオライトを中心としたオフィオライト試料の記載と化学組成分析を行い検討した。これまでに、本研究によってオフィオライト東部についてはその物質科学的実体の解明が進んだが,本年度は特に、西部の試料について解析を行った。西部はこれまでの先行研究で、中央海嶺起源の海洋プレートの一部であることが指摘されていた。本研究の成果は次のように要約される。 (1)岩体の一部(ゴムシケ岩体)の物質科学的特徴の大部分は,中央海嶺起源の海洋プレート深部物質と類似した特徴を示すが,岩体の一部に,島弧でのマグマ活動による改変プロセスが記録されている。島弧でのマグマ活動による改変プロセスは東部の方が強い影響を受けているが、東部の影響と類似していることが予想される。 (2)岩体の一部(プーカ岩体)は、これまで中央海嶺起源の海洋プレート物質であると考えられてきたが、岩体の特徴は、含水過程を強く受けていることが示唆される。このような環境は中央海嶺環境では説明されないこと、むしろ島弧環境での影響を強く受けていると考えることで説明できる。 これらのことから,ミルディータオフィオライトの研究は,中央海嶺起源の海洋プレートから,沈み込む海洋プレートからの物質供給が必要な島弧下でのマグマ活動およびその後(もしくはやや異なる温度圧力条件で同時に)によって地下深部物質が改変していく様子を物質科学的に明らかにした一例となった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)