2012 Fiscal Year Annual Research Report
日本植民地における在来住宅・住様式の「日本化」に関する研究:台湾漢人住宅を事例に
Project/Area Number |
21404014
|
Section | 海外学術 |
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
青井 哲人 明治大学, 理工学部, 准教授 (20278857)
|
Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 建築史・意匠 / 台湾 / 日本植民地 / 揚床 / 起居様式 / 椅子座・床座 / 台湾原住民 / 石垣島(八重山) |
Research Abstract |
本研究では、台湾漢人住居に広く観察される〈総舗〉と呼ばれる揚床状の設備について、その歴史過程を植民地支配下における漢人在来住宅・住様式の「日本化」の観点から多角的・包括的に解明する。平成24年度は下記の調査および作業を行った。 1. 24年8月5日~28日に、台湾調査を行った。(1)花蓮県・台東県他において、原住民のアミ族・ブヌン族の集落を中心に家屋の実測と聞き取りを行った。古くからの漢化に加え、植民地期の「改良蕃屋」政策の影響、漢人を経由した「日本化」の波及が重なる過程を想定できた。(2)中部の彰化県北斗市街において総竹造の町屋について実測調査を行い、ここでも揚床状設備が広範に浸透してきたことを確認できた。(3)彰化県永靖の古民家「餘三館」で〈総舗〉の実測調査を行った。(4) 植民地開放後、1960年代に台北市に建設された鉄筋コンクリート造の国民住宅において室内の実測と聞取り調査を行った。供給後に多くの住戸で住人により〈総舗〉が設えられたことを確認できた。(4)文献調査を行った。 2. 24年12月22日~28日に、沖縄県の八重山地方の調査を行い、植民地末期および解放後に石垣島に移住した台湾人の家屋について実測と聞き取りを行った。石垣の大工が建築した彼らの家屋でも、出身地での生活様式が移植されたことを確認し、〈総舗〉をもつ家屋の現存例を実測した。 3. 24年12月29日~25年1月6日に台湾での補足的な文献調査、現地調査を行った。 4. 実測調査資料の整理と図化を25年3月までに終えた。また、4年間の調査研究の成果から、台湾漢人家屋における揚床状の設備について、地理的分布、発生と波及の時期をほぼ確定でき、また構法技術的な類型、先行する家屋や就寝設備との関係、民族による受容過程の差異、戦後への継承と衰退の過程などを含む、現段階で可能な包括的歴史過程をまとめる準備が完了した。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(7 results)