2011 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯地域における保護区の生物多様性保全に関する研究
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21405004
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
鈴木 英治 鹿児島大学, 大学院・理工学研究科(理学系), 教授 (10128431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 旬子 鹿児島大学, 大学院・理工学研究科(理学系), 准教授 (40244222)
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Keywords | 熱帯雨林 / 自然保護区 / 外来種 / 生物多様性 / インドネシア / Tectona grandis / キナノキ |
Research Abstract |
ハリムン-サラック山国立公園で昨年度に引き続き侵入種の分布状況の調査を行うと同時に、地域によって侵入種の種組成や分布拡大状況が大きく異なることがこれまでの調査で分かってきたので、ハリムン-サラック山国立公園の隣にあるゲデーパンゲランゴ国立公園と、西スマトラ州のパダン周辺の保護区でも同様の調査を行った。その結果西スマトラ州のほうで移入種が少ない傾向があることがわかった。昨年採集したDNAサンプルの解析を鹿児島大学で進めた。マラリアの治療薬のキニーネの原材料として有名な南米原産のキナノキは世界各地の熱帯に植えられてきた。しかし第二次世界大戦後にはキニーネが化学合成されるようになったので、放置され分布を広げている問題が生じ、世界の有害移入種百種にも指定されている。インドネシアでも西ジャワで植栽されたものが放置されて分布を拡大している。その状況をゲデーパンゲランゴ国立公園とバンドン近くの保護区で調査した。著しく自生種の生育を阻害しているほどではないが、部分的にはかなり密な集団を作り自生種の生育を阻害していることが分かった。ジャワ島西部のパンガンダラン保護区では、隣接地域に植栽されたチークが保護区内に侵入している状況を調べたが、チークが陽樹なので保護区内の草地への侵入が著しいことがわかった。ゲデーパンゲランゴ国立公園に隣接するチボダス植物園の植物生態部門の研究員であるMutaqien Zaenal氏を鹿児島大に招へいして、今まで得たデータの解析を行い、3月の日本生態学会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
およそ予定したように現地調査も進んでおり、データ解析も進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度が最終年度なので、本科研費の範囲の仕事としてはデータのまとめを中心にして進めていく。ただし、23年度には少し西スマトラ州を調べたが、今まで行ってきたジャワ島とは異なる状況にあることが分かってきたので、地域によってさまざまな状況にある。科研費終了後の研究の発展につなげられるような調査も加えていく。
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Research Products
(3 results)