2011 Fiscal Year Annual Research Report
国境を超越して生存する少数民族に関わる絶滅危惧植物遺伝資源と伝統知識の保全
Project/Area Number |
21405017
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
渡邉 和男 筑波大学, 生命環境系, 教授 (90291806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河瀬 真琴 独立行政法人農業生物資源研究所, ジーンバンク, 研究主幹 (00192550)
MATTHEWS PETER 国立民族学博物館, 研究部, 准教授 (70281590)
西川 芳昭 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (80290641)
松井 健一 筑波大学, 生命環境系, 助教 (50505443)
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Keywords | 民族学 / 遺伝資源 / 植物 / 生物多様性 / 育種学 / 遺伝子 / 保全生物学 / 農学 |
Research Abstract |
農業食糧及び薬用遺伝資源の多様性について、国境を超越して生存する少数民族に関わり農家保全の実地・実験調査を実施した。11月にラオス北西部のミャンマー国境を主体に河瀬と渡邉がこれまでの調査の検証を行った。印多本は当該年退職に関わり、分担者から連携研究者にかわったが、ラオスでの現地調査の調整支援をラオス国立農林業研究所(NAFRI)と行った。西川を編者として、別資金で、西川、松井および渡邉がそれぞれ単著で分担し、書籍を出版した。 ミャンマー、タイとラオスの国境地帯について山間部の研究をまとめた。雑穀類や在来野菜に在来品種が使われている事がミャンマー側(東部シャン州)では顕著である。しかし、種子の保存や利用は国境(タイ-ミャンマー-ラオス)を越えて種子交換があり、経済活動が民族伝統文化独自性を凌駕している可能性を示唆した。 過剰開発や貨幣経済の浸透、さらに不均衡な情報の供給と啓蒙の欠如で、在来の植物遺伝資源が絶滅危惧になっていることやその伝統的文化に支援された知見が急速に失われてきていることがわかった。前年度同様、まとめとしてモノグラフを発表した。 当該課題での遺伝資源のアクセスと利益配分について、名古屋議定書の動向を調査し、本課題の事例を公表するための準備を行った(渡邉、河瀬、西川)。 ABS手続きに基づき入手した遺伝資源は、別資金等で保存法の検討及び多様性の実験研究を行った。 ミャンマーとの比較としてパキスタン北西辺境州(NWFP)について、モノグラフを出版した。 また、ラオス調査については、NIASから調査報告をH24年度以内に発表予定。
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Research Products
(17 results)