2011 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカの環境保全型農法における害虫管理機能の解明と活用
Project/Area Number |
21405018
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
足達 太郎 東京農業大学, 国際食料情報学部, 准教授 (50385506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小路 晋作 金沢大学, 地域連携推進センター, 特任助教 (10447683)
高須 啓志 九州大学, 農学研究院, 教授 (50212006)
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Keywords | 国際研究者交流 / ベナン:ナイジェリア:ケニア / ササゲ / トウモロコシ / Maruca vitrata / Chilo partellus / Cotesia flavipes / Phanerotoma spp. |
Research Abstract |
1.西アフリカにおけるササゲ害虫の生態と総合的害虫管理 ナイジェリア北部において、主要なマメ科作物であるササゲを加害するアブラムシ類・アザミウマ類・マメノメイガMaruca vitrataについて、発生消長を調査した。さらにマメノメイガについては、台湾産のマメノメイガから単離された核多角体病ウイルス(MaviNPV)の散布と、マメ科および非マメ科作物の混作が、幼虫密度と天敵寄生率におよぼす影響をしらべた。MaviNPVの散布については、幼虫に対する密度抑制効果がみとめられ、ナイジェリア北部のマメノメイガ個体群に対して有効であることがあきらかとなった。いっぽう混作については、ウリ科作物であるエグシの混作区において、マメノメイガ幼虫の密度が単作区よりも低く、混作による害虫抑制効果が確認された。また、マメ科作物混作区ではササゲ単作区よりもマメノメイガ幼虫における寄生蜂Phanerotoma spp.の寄生率が高かった。 2.東アフリカにおけるトウモロコシ害虫に対する導入天敵の有効性 ケニアをはじめとする東アフリカにおいて、主要作物であるトウモロコシに深刻な被害をあたえるズイムシ類の一種Chilo partellusの有効な生物的防除資材を探索する一環として、幼虫寄生蜂Cotesia flavipesのパキスタン系統とタイ系統の生活史特性と交雑可能性、蛹寄生蜂Pimpla sp.の生活史特性をしらべた。寿命・蔵卵数・産卵数・発育速度については、2系統のあいだで有意な差はみとめられなかった。また、C. partellusへの産卵行動にちがいはみとめられなかった。以上の結果から、タイ系統とすでに東アフリカで1990年代に放飼され、定着が確認されているパキスタン系統との間に本害虫の天敵として有効性にちがいはないと結論づけられる。いっぽう、蛹寄生蜂は寄生数が少なく、有効な天敵とはみとめがたかった。
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Research Products
(12 results)