2010 Fiscal Year Annual Research Report
ミシシッピ湿地林のハリケーン後遺症と回復に関する時空間的、生態学的、生理学的研究
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21405022
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
山本 福壽 鳥取大学, 農学部, 教授 (60112322)
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Keywords | ハリケーンカトリーナ / ヌマスギ / ナンキンハゼ / センダン / ベタイン / ジャスモン酸 / ミシシッピ / 耐塩性 |
Research Abstract |
2005年に発生したハリケーン「カトリーナ」はミシシッピ河口域の森林に高潮の被害をもたらした。塩水にさらされた植物はNaイオンの毒性、水欠乏ストレスなどの生理的な影響を受けるが、自生種であるヌマスギ(Taxodium distichum)も多くの個体が枯死した。一方、外来種であるセンダン(Melia azedarach)とナンキンハゼ(Sapium sebiferum)は来襲後に分布域を拡大しており、ミシシッピ湿地林固有の植生に大きな変化が生じている。本研究ではこれら3種の苗木を用いて塩水による土壌冠水下での耐塩性比較を行い、侵入種の分布域拡大の要因を検討した。実験では塩水(NaCl溶液)による冠水実験を春季・夏季の2回行い、各樹種の塩水冠水環境における生理・成長の差異を処理濃度、実験期間、季節について比較した。実験期間は、5月24日から6月25日を春季、9月2日から10月4日を夏季とした。塩水の濃度は0mM、38mM、75mM、150mMの4つの処理区を設置した。処理期間は2週間および4週間である。冠水実験期間中の土壌酸化還元電位の測定とともに、これらの苗木の成長量、乾燥重量、イオン含有量、および浸透圧調節物質であるベタイン類の含有量を比較した。さらにジャスモン酸散布処理が浸透圧調節物質であるベタイン類の蓄積に及ぼす影響を調べた。この結果、冠水ストレスは3樹種ともに葉内のグリシンベタインの集積を誘導するが、比較的耐塩性の低いセンダンで顕著であった。一方、現地調査の結果、外来種の大部分はハリケーン来襲の翌年2006年に発芽していることが、年輪を解析した結果から明らかになった。すべての調査区に侵入していた92個体のナンキンハゼの91%が、また2調査区に侵入していた42個体のセンダンのすべてが2006年に発芽し侵入していた。
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Research Products
(5 results)