2010 Fiscal Year Annual Research Report
セミパラチンスク旧核実験場周辺地域がん検診を通じた放射線被ばくの発癌影響の解明
Project/Area Number |
21406023
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
熊谷 敦史 長崎大学, 病院, 助教 (40448494)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
メイルマノフ セリック 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 准教授 (20423642)
大津留 晶 長崎大学, 長崎大学病院, 准教授 (00233198)
高村 昇 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30295068)
柴田 義貞 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40010954)
|
Keywords | 社会医学 / 環境 / 放射線、X線、粒子線 / 国際地域保健 |
Research Abstract |
旧セミパラチンスク核実験場周辺地域で懸念されてきた放射線発がん影響の疫学・分子病理学的調査を行うため、現地のセメイ州立の診断センター、がんセンター、医科大学と研究代表者の間で平成21年度に協定を締結した。 平成21年度には、基礎資料として、平成17年度までセミパラチンスク周辺地域で研究代表者・分担者も参加して行われた国際協力機構による検診結果情報の提供を受けた。この結果からは、医療過疎地域における検診であることにより異常所見者割合が全検査項目合わせると9割を超えていたことが明らかになった。また検診によって肺結核の発見が増加し、医療機関での治療に結びつけ得た例が多かったことが聞き取り調査から明らかになった。 平成22年には、甲状腺結節が認められた場合に精密検査、治療にあたるセメイ州立がんセンターから病理医を招へいし、同時に同センターで切除された甲状腺腫瘍標本(平成16~21年、117例)を用いて、病理組織解析、53BPI蛋白の発現解析を開始しこれまでに平成16~18年分16例の検討を行った。また現地で東セミパラチンスク州疫学センター所長から研究参画依頼を受け検討することとなった。 平成23年には、前年度に予定していたセメイ州立がんセンターから病理医再度招へい、診断センターからデータベース担当者招へいを繰り越して行い、標本追加して病理解析による放射線発がん影響の解析を進め、甲状腺精密検査結果データと、疫学センターからのカザフスタン全土の癌疫学データを合わせ旧セミパラチンスク核実験場周辺地域の発がん傾向分析をまとめる予定であった。しかし平成23年3月11日の東日本大震災、東京電力福島第1原子力発電所事故のため、研究代表者ならびにメイルマノフ・セリックをのぞく研究分担者は被ばく医療専門家として福島県に繰り返し派遣され支援にあたったため、研究期間内に予定された研究完遂が困難となった。
|
Research Products
(1 results)