2009 Fiscal Year Annual Research Report
先天性感染が及ぼすインパクト:ベトナム中南部バースコホート研究
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21406028
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
森内 浩幸 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (90315234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有吉 紅也 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (30311400)
大沢 一貴 長崎大学, 先導生命科学研究支援センター, 教授 (90244756)
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Keywords | 感染症 / 社会医学 / 微生物 / ウイルス / 脳神経疾患 |
Research Abstract |
ベトナム中南部カンホア県におけるbirth cohortの確立 ・ 当初の計画通り、2000組規模の母子ペアがコホートにエントリーできた。種々のデータは入力され、母体末梢血と臍帯血から採血され、血漿とバッフィーコートに分離されて保存された。その多くは既に長崎大学に搬送の上、DNA抽出されている。 <意義・重要性>これらのデータと検体は、本研究のみならず多くの研究に応用可能である。 一次スクリーニングの中間成績 ・ 臍帯血690検体をreal-time PCRで検索したところ、6例(0.9%)がCMV-DNA陽性で、先天性CMV感染児と判明した。 ・ 臍帯血884検体をELISAで検索したところ、1例(0.1%)が風疹IgM陽性で、先天性風疹感染児と判明した。 ・ これらの先天性感染児のインタビュー調査では、健康上の問題は認められていないが、より詳細な診察と検査を予定している。 ・ TTV感染についての検索が開始され、5%を超える陽性例が確認されてきている。 ・ 母体血1028検体をCLEIAで検索したところ、111例(10.8%)がHBs抗原陽性のB型肝炎ウイルス(HBV)キャリア、399例(38.8%)がHBs抗原陰性/HBs抗体陽性の既感染者と同定された。 <意義・重要性>先天性感染に関する中間成績は、パイロット研究で予想していた感染率と概ね一致しており、少なからぬベトナム人乳児が先天性感染による被害を被っている可能性が示唆された。HBVの母子感染の有無に関しては、2歳時の追跡調査で明らかにされる予定である。
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Research Products
(8 results)