2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500011
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
平田 富夫 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (10144205)
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Keywords | アルゴリズム / 近似困難性 / 2部クリーク / 2部クリーク被覆 / 2部クリーク分割 |
Research Abstract |
本研究ではグラフの2部クリーク被覆問題および2部クリーク分割問題について効率の良いアルゴリズムを開発するとともに近似困難性について理論的な解析を行った.本年度の研究実績は次の通りである. 1.本研究では既に,織機の制御問題をブール行列のブールランクを求める問題として定式化している.本年度は、縦糸の張力を均一にするという条件を加えた場合について考察した.その結果この制御問題は,対応するブール行列の排他的ブールランクを求める問題になることを示した.また,これらの問題がグラフの2部クリーク被覆問題及び2部クリーク分割問題に等価であることを示した.このように,実用上の問題が理論的にきれいな形でまとめられた.この成果は電子情報通信学会コンピュテーション研究会で発表済である.現在.論文誌へ投稿するための準備を行っている. 2.本年度から新たに,距離遺伝2部グラフ上のハミルトン閉路アルゴリズムに関する研究を開始した.一般の2部グラフでのホールの定理は完全マッチングが存在するための必要十分条件であるが,距離遺伝2部グラフ上では類似の条件がハミルトン閉路存在の必要十分条件になることを証明した.また,与えられた距離遺伝2部グラフの「縮小グラフ」を定義し,そのうえで効率のよいハミルトン閉路アルゴリズムが構成できることを示した.この成果は京都大学数理解析研究所研究集会(LA2011)で発表した.
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