2009 Fiscal Year Annual Research Report
大規模分散組込みソフトウェア開発のための仮想ソフトウェア実行環境の研究
Project/Area Number |
21500040
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
中本 幸一 University of Hyogo, 大学院・応用情報科学研究科, 教授 (70382273)
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Keywords | ソフトウェア工学 / 高信頼性ネットワーク / ソフトウェア開発効率化・安定化 |
Research Abstract |
研究の目的:大規模分散組込みシステムは多くのCPUや物理空間と制御を行うデバイスから構成されること,さらに大規模なネットワークシステムであることが特徴である.制御を行うデバイスには物理空間での物体,自動車や航空機を構成する部品,様々なハードウェアがある.一方,市場からは組込みシステムの開発コストの削減,より短期間での開発が要請されている.今後,より安全,より快適,環境に配慮したサービス提供のために,周辺車両も含めた多数のセンサーからデータ取得を行い,デバイスを制御することが必要となってくるため,組込みシステムは必然的にネットワーク化,分散化,大規模化してくる. 本研究の目的は,こうした大規模分散組込みシステムにおける高生産,高品質のソフトウェアの開発支援のために,CPUと制御対象デバイスのシミュレーション環境(本提案では環境シミュレータと呼ぶ)とこれらを統合させる分散プラットフォームの基盤技術の研究を行い開発することである. 実施内容: (1) CPUシミュレータの研究:高生産,高品質の組込みソフトウェア開発を支援するCPUシミュレータをQEMUをベースに開発する.QEMU自身は仮想マシンジェネレータである.QEMUを選択したのは,ARMやSHなど既に多くのCPUシミュレーション機能を有する汎用的な仮想実行環境であること,シミュレーションが命令変換方式であり高速実行が期待できることである.平成22年度はQEMUを使ったNEC製のV850のCPUシミュレータを試作し,その評価を行った.特に変換された命令をキャッシュする機構の有効性を検証した. (2) 分散プラットフォームの研究:OMGで提案されたCORBAやZeroC社のICEなどの分散オブジェクト技術をベースにして,実ターゲットデバイスとの通信を目指した通信機能の開発と評価を行った.下位の通信プロトコルはUDPを使用した.その結果,車載システムのネットワークで使用されているCANレベル相当の通信能力は達成できることが分かった.
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Research Products
(3 results)