2009 Fiscal Year Annual Research Report
実験的手法による超大規模相互結合網の理論的体系化と工学的応用
Project/Area Number |
21500049
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
横田 隆史 Utsunomiya University, 工学研究科, 教授 (90334078)
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Keywords | 相互結合網 / 並列計算機 / ルーティングアルゴリズム / 準広域情報 / 輻輳 / 性能指標 / 非最短経路ルーティング |
Research Abstract |
[微視的・巨視的測度の検討]まず、超大規模相互結合網の性能を定量的に議論するための指標2つを定義した。臨界転送負荷と網性能指標(Network Performance Measure, NPM)である。前者は転送能力が飽和するときの負荷を示し、後者はスループットを平均レイテンシで除すことによる性能指標(figure of merit)を表す。これらにより、従来、グラフ形状により行われてきた相互結合綱の性能比較を、たかだか2つの数値(指標)により比較することが可能となった。また、この研究に付随して、転送性能を効率よく計測するための手法である傾斜負荷法(Ramp Load Method)を提案した。さらにシミュレーションにより超大規模網の挙動に関する知見を蓄積した。 [ルーティングアルゴリズムの体系化]必要な情報(準広域情報)を収集するためのメカニズムと、得られた情報をもとにパケットの送出方向を決めるルーティングアルゴリズムとを明確に分離することで、Cross-Lineアルゴリズムの体系化を行った。これにより、これまで未検討であった項目が明らかになり、新たなルーティングアルゴリズムの創出を行うことができた。具体的には、適応度の概念、スロットリング手法、および、非最短経路ルーティングの導入である。適応度は、輻輳によりバッファが満杯になることを回避することを目的として考案した手法であり、Cross-Lineの準広域情報の機構を応用して実現することができる。スロットリングもこれと同様であるが、輻較箇所を避けるのではなく新たなパケットの送出を抑制することで同様の効果を狙うものである。また非最短経路は、結合網内での輻輳回避能力を高めるための手法として検討した。 以上の成果は、学協会誌論文4編、国際会議論文2編、シンポジウム論文(査読付)1編、その他口頭発表15件として公表された。
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