2010 Fiscal Year Annual Research Report
グラフィックスハードウェアの形状処理への応用に関する研究
Project/Area Number |
21500101
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
床井 浩平 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (70188746)
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Keywords | コンピュータグラフィックス / リアルタイムレンダリング / スキニング / バーテックスブレンディング / 形状モデリング |
Research Abstract |
平成22年度は粒子を用いて弾性体の骨格による変形の際に体積を維持する手法を開発した.この手法は着衣形状の算出のベースに用いる人体モデルの形状制御に用いる. 物体の表面形状を骨格によって制御する手法はスキニングと呼ばれる.従来,この表面形状の算出にはバーテックスブレンディングという手法が用いられているが,これは物体内に物質が存在していることを考慮しておらず,物体の表面と骨格との関係のみにより表面形状の算出を行うために,変形後に関節部付近において陥没や収縮などの期待しない形状が発生する場合がある.本研究で開発した粒子を用いる手法は,物体内に充填した粒子の個数や間隔が維持されるため,陥没や収縮などの発生を避けて,近似的に体積を維持した変形を行うことができる. しかし,この手法において変形の精度を高めようとすれば粒子数が増大するため,バーテックスプレンディングと比較して計算量が多いものとなる.特に形状の一部に微細な部分を持つ場合は粒子の精度をその部分に合わせる必要があり,全体の計算効率が低下してしまう.そこで本年度の研究では,物体内に充填する粒子の大きさを形状に合わせて適応的に変化させることにより,計算効率の向上を図った.また,従来はすべての粒子の物理的性質を均一にして処理していたが,本年度の研究では粒子と近傍の粒子との近傍との結合関係などの物理的性質を粒子ごとに設定することによって,骨の存在など物体内部の構造を反映した変形を可能にした. 着衣形状は,従来,衣服と物体(人体)の表面形状との関係をもとに算出されていた.これには点と面あるいは面と面の干渉の検出が必要になるが,本研究による人体モデルを用いれば,着衣形状を粒子同士の関係をもとに統一的に求めることができるため,GPUを用いた並列処理による高速化を行うことが容易である.
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Research Products
(2 results)