2009 Fiscal Year Annual Research Report
自然なインタラクションを通した認知発達メカニズムの構成的解明
Project/Area Number |
21500137
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡 夏樹 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 教授 (20362585)
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Keywords | 機械学習 / 認知科学 / 人工知能 / 知能ロボティクス / エージェント |
Research Abstract |
「人」-「発達システム」-「環境」の3項間の自然なインタラクションを通した認知発達メカニズムの構成的な解明に向けて以下の研究成果を得た: 1. これまでは、音声入力からのフレーズ(意味づけの対象)候補の切り出しは、登録単語による音声認識または、手作業に頼ってきた。本年度は、音声入力の分節を自動化し、自動分節の精度と、自動分節結果を用いた場合の意味学習の精度を評価した。まだ十分な精度ではないが、自動分節とそれ基づく意味学習が可能であることを示した。 2. ゴールに至る試行において、ある状況で最終的にとった行動が最適な行動である可能性が高いことに注目し、この情報を言葉の意味獲得に用いる方法を提案した。提案方法を、最適行動に関する知識をあらかじめ与えてある場合と比較し、同程度の意味学習性能が得られることを実験的に示した。 3. 発話が無いという情報に着目した、韻律情報の意味獲得方式を提案し、試作実験を行った。 4. 平成23,24年度には、ニューラルネット・モジュールの組換えを基本演算とする計算機構を採用することにより、知識の自己創出的な獲得を目指す計画である。しかし、モジュールの組替えの自由度の高さは、組合せ的爆発を起こすため、人からの教示を利用して有用な組合せを見つけるべきであると考え、本年度は、内部動作を指す言葉の学習を可能にする方法を、先行的に検討した。抽象的な教示を利用して内部動作を強化学習により獲得する機構を試作し、動作試験を行った。 5. 発達システム(ロボット)が、自身の学習の進行に応じて動作の「間」を適切に変化させることにより、学習効率が上がり、また、相手をする人に対して教えやすい印象を与えることを実験的に示した。
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Research Products
(10 results)