Research Abstract |
1. 映像データの収集と事例データの作成 本研究では,カメラから入力された映像データから,人物領域を安定に抽出する方法を開発する.人物領域を抽出するためには,背景画像を推定し,背景画像と入力画像との差分量から背景であるのか物体であるのかを判定する必要がある.差分を求めるときに,背景画像と同様な領域は人物領域とは判定されないので,事例データベースに基づいた補完処理を行なって人物領域を安定にとり出す.このような補完処理を行なうためには,人物領域の事例データが大量に必要である.また,動的背景のモデリングのためにも長時間観測した映像データが必要である.そのため,固定カメラを利用して,研究期間中に大量の映像データを収集した.事例データの作成に関しては,人物領域を手作業で抽出する必要があり,大量のデータ量の人物領域を抽出した. 2. 動的背景のモデリング 従来,研究代表者らは,背景を太陽直射光成分と環境光成分に分けて推測して,影の影響を除去しつつ人物領域を検出する手法(Adaptive Background Model,ABM)を提案してきた.しかし,草木の揺れのように,背景が動的に変化する場合にはこのモデルでは不十分で,複数の背景物体の重なりをモデルに加える必要がある.そこで,本研究では,長時間の観測データから,葉が見えている時間と,花が見えている時間のように,似た色でクラスタリングを行い.それぞれのクラスタ毎に,明るさ可変背景モデル(ABM)を適用して,複数背景物体の推定を行なう.このように複数の背景物体表現を利用することで動的な背景変化に対しても十分に対応できると考え,様々なクラスタリング手法により,明るさ可変背景モデルを適用したと際の背景推定精度について評価を行なった.
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