2009 Fiscal Year Annual Research Report
内的ダイナミクス検証のための神経時空間活動の非定常性解析
Project/Area Number |
21500226
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
伊藤 浩之 Kyoto Sangyo University, コンピュータ理工学部, 教授 (80201929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細野 雄三 京都産業大学, 理学部, 教授 (50008877)
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Keywords | スパイク相関 / 非定常相関 / 統計検定 / 多細胞同時記録 / マルチニューロン / 神経ダイナミクス / 同期振動 / ユニタリーイベント |
Research Abstract |
麻酔下ネコの視床(外側膝状体)から同時記録された複数細胞のスパイク発火データに対して、細胞間のスパイク相関の刺激呈示期間中での非定常変動をユニタリーイベント法により統計解析を行った。光スポット刺激を定常的に提示しているにも関らず、細胞間のスパイク相関には発火率の変動プロフィールでは説明されない固有の非定常変動を示す場合があることを示した。ユニタリーイベント法での従来の有意性検定では、スパイクが周期的に発火するデータでは不適切な結果を導くため、ノンパラメトリック法(ブートストラップサンプリング)を用いた新たな有意性検定を開発して適用した。記録された細胞ペアの半分(96/195,49%)が刺激提示に誘発された有意なスパイク相関を示した。スパイク相関の古典的な解析法であるクロスコリログラム法では試行時間全体に渡っての平均操作を行うため、短期間でのみ過渡的に生じる相関発火を検出することが出来ない場合が存在することが確認された。このような過渡的な相関に対してもユニタリーイベント法は高い精度で検出することが可能である。また、相関を検出するための最適な時間精度(ビン幅)を客観的に選定する方法を開発して適用したところ、多くの細胞ペアは1ミリ秒という非常に高い時間精度で相関が生じていることが判明した。試行時間中に有意なスパイク発火相関を示す細胞ペアには、発火相関の非定常変動が細胞の発火率自身の変動と類似した場合と独立な場合が存在する。本年度の研究では、発火相関の非定常変動の統計有意性の検定方法の開発のために、複数の測度を導入して最適な定量化方法を検討した。その結果、ブートストラップサンプリングで得られた無相関の帰無仮説の分布に対しての実際の相関強度値のz-scoreを測度として適用し、その時間変動を変動性の有意性検定の対象とすることが適切であることが分かった。
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