2010 Fiscal Year Annual Research Report
内的ダイナミクス検証のための神経時空間活動の非定常性解析
Project/Area Number |
21500226
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
伊藤 浩之 京都産業大学, コンピュータ理工学部, 教授 (80201929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤崎 孝文 京都産業大学, コンピュータ理工学部, 准教授 (30335393)
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Keywords | スパイク相関 / 非定常相関 / 統計検定 / 多細胞同時記録 / マルチニューロン / 神経ダイナミクス / 同期振動 / ユニタリーイベント |
Research Abstract |
麻酔下ネコの視床(外側膝状体)から同時記録された複数細胞のスパイク発火データに対して、細胞間のスパイク相関の刺激呈示期間中での非定常変動をユニタリーイベント法により統計解析を行った。光スポット刺激を定常的に提示しているにも関らず、細胞間のスパイク相関には発火率の変動プロフィールでは説明されない固有の非定常変動を示す場合があることを示した。記録された細胞ペアの半分(96/195,49%)が刺激提示に誘発された有意なスパイク相関を示した。また、相関を検出するための最適な時間精度(ビン幅)を客観的に選定する方法を開発して適用したところ、多くの細胞ペアは1ミリ秒という非常に高い時間精度で相関が生じていることが判明した。発火相関の非定常変動の統計的有意性の検定方法に対して新しい方法を提案した。まず、相関強度値としてz-scoreを採用し、次にテストインターバル内で相関の時間平均値を保ち、時間構造のみを壊したデータをブートストラップサンプリングで発生し、このデータにおける発火相関の変動の大きさの分布を帰無仮説とした。この帰無仮説に対して実際のデータでの相関の変動の大きさの有意性検定を行った。有意な相関発火を示すペアの約半分が発火率の変動とは独立な非定常変動を示すことが判明した。平成22年度は記録した全データに開発した方法を適用して、ネコ視床でのスパイク相関の非定常性に関しての大域的統計解析を実施し、その成果を研究協力者のCharles Gray (Montana State Univ., USA)らとの共著論文として発表した。
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