2011 Fiscal Year Annual Research Report
内的ダイナミクス検証のための神経時空間活動の非定常性解析
Project/Area Number |
21500226
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
伊藤 浩之 京都産業大学, コンピュータ理工学部, 教授 (80201929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤崎 孝文 京都産業大学, コンピュータ理工学部, 准教授 (30335393)
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Keywords | スパイク相関 / 非定常相関 / 統計検定 / 多細胞同時記録 / マルチニューロン / 神経ダイナミクス / 同期振動 / ユニタリーイベント |
Research Abstract |
前年度に引き続き、麻酔下ネコの視床(外側膝状体)から同時記録された複数細胞のスパイク発火データに対して、細胞間のスパイク相関の刺激呈示期間中での非定常変動をユニタリーイベント法により統計解析を行った。また、発火相関の非定常変動の統計的有意性の検定方法に対して提案した新しい方法に関して複数の研究発表を行い、脳科学者および統計数理研究者の双方から解析法の妥当性に関して意見を集めた。一方、本研究で開発した細胞間のスパイク発火時間相関の非定常性解析法を麻酔下ネコの視覚皮質から記録した多細胞データに適用を試みた。視床に比べて発火スパイク数が少ないため、100msec程度のサンプリングインターバル内のスパイクデータのみを用いる従来の方法では、スパイク数が有効な統計量として使用できない可能性があることが判明した。特に、高精度な時間相関の検出のためには十分に狭いビン幅を用いる必要があるが、皮質のような低発火率の領野では、ビン内に一つのスパイク発火も生じない場合が増加し、有効な統計解析が出来ない。他方、ビン幅を広げれば、ビン内での発火確率は増加するが、時間精度が失われるというトレードオフがある事を認識した。本研究で提案した解析方法を視床以外の脳領野にも適用するためには、対象とする領野でのスパイク発火相関の精度(jitter)を調べ、最適なビン幅を検討する必要があることが分かった。また、麻酔下ネコの視覚皮質で無刺激条件下での自発発火活動のデータも取得し、細胞間スパイク発火相関の解析を開始した。この解析は、刺激提示下でのスパイク発火相関が脳固有の自発発火活動の状態とどのように関連しているのかを研究する上では興味深いと考える。
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Research Products
(3 results)