2009 Fiscal Year Annual Research Report
戦前期「外地」で活動した図書館員に関する総合的研究
Project/Area Number |
21500241
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Research Institution | Kyoto Notre Dame University |
Principal Investigator |
岡村 敬二 Kyoto Notre Dame University, 人間文化学部, 教授 (90310664)
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Keywords | 満洲 / 満洲国 / 図書館員 / 図書館 / 満鉄図書館 / 書香 / 収書月報 / 奉天図書館 |
Research Abstract |
この研究は、戦前期に、日本の支配下にあった「外地」の図書館や各種機関の図書室・資料室で活動した図書館員について、その履歴や学芸的な営為を総合的に調査・研究し、その人名辞典的なデータベースを作成しようとするものである。外地で活動した図書館員らは、広く学芸的な場面で活動を展開しており、こうした館員の営為を明らかにすることで、外地における図書館活動の面だけではなく文学・美術・出版・演劇などさまざまな文化活動研究領域にあっても、その書誌的・資料的な寄与ができるものと考えている。 初年度である21年度では、台湾・朝鮮・満洲など「外地」で活動した図書館員について、館報や要覧などを点検することによりその人名をリストアップし、その個々の館員について各種の人名辞書や著作などを調査することで履歴事項を蓄積していった。そのリストアップのために、満鉄大連図書館や奉天図書館などの館報(『書香』『収書月報』など)を購入してその異動情報などを点検し網羅的なリスト作成に努めた。さらに復刻されていない外地の図書館や文化機関の館報・各刊行物の所在情報を確認しその所蔵機関に出かけて調査し複写をおこなった。そしてそれらのデータを順次入力していくことで、人名辞典的なデータを蓄積していった。そのデータの内容は、館員が勤務した図書館、略歴・異動状況・職種や役職、さらに具体的な図書館活動や著述論文・文芸作品などである。そして、この研究課題を展開していくための現在までの「研究到達点」を確認するため、今年度末に、「満洲の図書館」と題した資料展示会を本学で開催し、32pのカラー版図録を刊行しさらにはギャラリートークを開催して研究の中間成果の発表をおこなった。また研究の過程で得られた知見や訪書の記録などを随時大学のホームページに掲出して研究内容を広く社会に発信した。
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Research Products
(6 results)