2011 Fiscal Year Annual Research Report
戦前期「外地」で活動した図書館員に関する総合的研究
Project/Area Number |
21500241
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Research Institution | Kyoto Notre Dame University |
Principal Investigator |
岡村 敬二 京都ノートルダム女子大学, 人間文化学部, 教授 (90310664)
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Keywords | 満洲 / 満洲国 / 図書館員 / 大連図書館 / 奉天図書館 / 満洲国立中央図書館籌備処 / 書香 / 収書月報 |
Research Abstract |
本研究は、戦前期、外地に存在していた図書館や資料室において活動を展開した図書館員について、その履歴や職歴、活動の実績などを総合的に調査・研究しようとするものである。本年度は最終年度にあたっており、当初に掲げたこれら図書館員の人名辞典的なデータベースを完成させることを第一の目標として掲げて研究を進めた。そして3年間の総括として、この人名辞典を報告書として発表すること、さらに外地活動図書館員のご子孫のかたの論考も収載した報告書の刊行を目指した。 本年度の具体的な活動は、ここまで取り掛かってきた外地活動の図書館員についての履歴事項の調査の継続と、そのデータベースの完成である。そのために中国で最大の旧満洲関係日本語資料の所蔵機関である遼寧省図書館での逐次刊行物調査、潘陽市での関連資料の購入と現地旧蹟の巡検も実施した。国内においても、関連の特別文庫(高知大学小島文庫など)や、国立国会図書館などに出向いて調査と複写などを行った。資料収集としては、古書を中心に、外地関連の地図や旧満洲関係の機関誌および刊行物、写真資料について収集した。 年度の後半は、3年間の活動の取りまとめをおこない、報告書刊行の準備にかかった。具体的には、人名辞典の整理や、外地で活動した図書館員のご子孫との連絡と執筆依頼、訪書記録の執筆と整理などである。さらには、今年度も研究の協力者として、米井勝一郎(愛知県議会事務局調査課)、鞆谷純一(徳島県立鳴門高等学校学校司書)にお願いし、年度末まとめの報告書に、それぞれ論考をの執筆を依頼し、原稿を頂戴した。 年度末には、173ページの報告書を刊行した。こうした研究により戦前期外地で活動した図書館員の概容を明らかすることができるとともに、かれらが関与して活動してきた文学・美術・出版・演劇などの文化活動研究領域にあっても、資料的な貢献ができたものと考えている。
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Research Products
(2 results)