2009 Fiscal Year Annual Research Report
視覚剥奪が異感覚皮質に惹起する領野間神経回路の変化
Project/Area Number |
21500316
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
蒋 斌 The Institute of Physical and Chemical Research, 大脳皮質回路可塑性研究チーム, 研究員 (30446520)
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Keywords | Visual cortex / Visual deprivation / Dark rearing / GABAergic neuron / Layer 4 / Layer 2 / 3 / Endocannabinoid / LTD |
Research Abstract |
私たちが2009年度に得たもの: 今まで、大脳皮質視覚野の眼優位可塑性臨界期に関して、臨界期のタイミングを決定すると考えられている抑制神経回路網の成熟化が2/3層より4層のほうが早く終始すると報告されています。そこで、私は、この抑制性細胞細胞から興奮性神経細胞への神経伝達機能の時間的成熟性の違いが、層ごとの臨界期のタイミングの違いを決めているのではと考え、それぞれどう対応しているか、また、それらの違いは、視覚的経験によって抑制性神経伝達の強さにどのように影響を与えているのか調べました。 その結果、 1)出生から4週間まで暗室環境で育てられたマウス大脳皮質視覚野では、2/3層Fast spiking抑制性神経細胞から興奮性細胞への抑制結合の強度をかなり弱めたが、4層では弱められなかった。 2)2/3層Fast spiking抑制性神経細胞から興奮性細胞への抑制結合の成熟化は、臨界期の間、内因性カンナビノイド依存的なLTDによって調整されるが、4層では、内因性カンナビノイド依存的ではなかった。 これらのデータは、Fast spiking抑制性神経細胞の成熟化がマウス大脳皮質視覚野の機能発達に重要な役割を持ちことが示唆されました。
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