2009 Fiscal Year Annual Research Report
脱髄関連プロテアーゼのオリゴデンドロサイト分化・成熟への作用
Project/Area Number |
21500322
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
吉田 成孝 Asahikawa Medical College, 医学部, 教授 (20230740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板東 良雄 旭川医科大学, 医学部, 講師 (20344575)
村上 公一 旭川医科大学, 医学部, 助教 (90400085)
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Keywords | オリゴデンドロサイト / プロテアーゼ / KLK6 / 発達 / ミエリン |
Research Abstract |
オリゴデンドロサイトに特異的に発現するプロテアーゼ、KLK6は中枢神経障害時に発現が増強し、脱髄とオリゴデンドロサイトの細胞死に関与すると考えられる。一方、KLK6はオリゴデンドロサイトの前駆細胞にも発現し、KLK6遺伝子ノックアウトマウスではこの前駆細胞が少ない事が見出された。すなわち、KLK6は細胞分化と成熟にも関与している事が考えられる。また、中枢神経障害時のKLK6の役割と正常な成長時の役割が異なっている事が推論される。そこで、本研究の21年度の目的はKLK6のオリゴデンドロサイト分化および成熟へ関与する分子を明らかとする事とした。オリゴデンドロサイトの新生および細胞死のメカニズムの一端を明らかとすると、脊髄損傷や自己免疫疾患などにおける軸索および神経細胞の保護への新たな手立てへの道筋をつける点で医学的にも重要である。 In vivoでノックアウト動物および野生型動物の胎児期後期および生後の各発達段階で野生型およびKLK6遺伝子ノックアウトマウス(KLK6-KO)の中枢神経の切片を作成し、オリゴデンドロサイト前駆細胞および成熟細胞のマーカーMBP、Olig1、NG2、CNPase、APCにより免疫染色を行い、陽性細胞数をカウントした。その結果、生後4日にNG2陽性細胞が野生型マウスよりも、KLK6-KOで細胞数が多かった。BrdUを投与して、BrdU陽性細胞と各種マーカーの2重染色を行い、細胞増殖に差があるかも観察したが、陽性細胞数には差はなかった。生後の発達段階で野生型およびKLK6ノックアウトマウスの中枢神経をエポン包埋を行い、ミエリン発達を電子顕微鏡下で観察した。現在の解析では、顕著なミエリンの形態的な差は認められていない。
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Research Products
(4 results)