2010 Fiscal Year Annual Research Report
脱髄関連プロテアーゼのオリゴデンドロサイト分化・成熟への作用
Project/Area Number |
21500322
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
吉田 成孝 旭川医科大学, 医学部, 教授 (20230740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板東 良雄 旭川医科大学, 医学部, 講師 (20344575)
村上 公一 旭川医科大学, 医学部, 助教 (90400085)
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Keywords | オリゴデンドロサイト / プロテアーゼ / KLK6 / ミエリン / 脱髄 |
Research Abstract |
オリゴデンドロサイトに特異的に発現するプロテアーゼ、KLK6は中枢神経障害時に発現が増強し、脱髄とオリゴデンドロサイトの細胞死に関与すると考えられる。一方、KLK6はオリゴデンドロサイトの前駆細胞にも発現し、KLK6遺伝子ノックアウトマウス(KLK6-KO)ではこの前駆細胞が少ない事が見出された。すなわち、KLK6は細胞分化と成熟にも関与している事が考えられる。また、中枢神経障害時のKLK6の役割と正常な成長時の役割が異なっている事が推論される。そこで、平成22年度はin vitroでのKLK6の役割の検討と基質との関連の検討を行った。KLK6-KOと野生型新生児マウス脳から細胞を分離し、オリゴデンドロサイト濃縮培養を行った。培養開始3日後に、オリゴデンドロサイトへの分化培地に交換し、3日間培養した。その結果、野生型マウスからのオリゴデンドロサイトにはCNPaseとOSPが豊富にみられ、オリゴデンドロサイトへの成熟が見られた。これに対し、KLK-KOからの培養ではこの2種の分子の発現が有意に低かった。野生型とKLK6-KOマウスにMOGペプチド免疫によるアレルギー性脱髄(EAE)を生じさせたところ、野生型マウスではprotease-activated receptor 2 (PAR2)発現が大きく増加した。これに対し、KLK6-KOでは野生型に比べると発現量は低かった。これらの結果から、KLK6はオリゴデンドロサイトの分化に重要な役割を果たすとともに、脱髄とその修復過程にも重要な関与をしていることが推察される。
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Research Products
(2 results)