2011 Fiscal Year Annual Research Report
脱髄関連プロテアーゼのオリゴデンドロサイト分化・成熟への作用
Project/Area Number |
21500322
|
Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
吉田 成孝 旭川医科大学, 医学部, 教授 (20230740)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板東 良雄 旭川医科大学, 医学部, 講師 (20344575)
村上 公一 旭川医科大学, 医学部, 助教 (90400085)
|
Keywords | オリゴデンドロサイト / プロテアーゼ / KLK6 / ミエリン / 脱髄 |
Research Abstract |
オリゴデンドロサイトは中枢神経において軸索に髄鞘を形成し、跳躍伝導を行う。さらに、軸索を物理的・化学的に保護するはたらきもあると考えられている。様々な中枢神経系の疾患・障害により、神経細胞と軸索が障害を受けることに加え、オリゴデンドロサイトの障害により神経細胞と軸索が2次的に障害を受け、損傷が拡大することが考えられている。また、オリゴデンドロサイト・髄鞘がはじめに障害される脱髄疾患では、多くが根本治療法がなく、社会的な損失も多い。我々は、これまでの研究でKLK6が中枢神経傷害時にオリゴデンドロサイトに特異的に発現しており、KLK6ノックアウトマウスを用いた研究等を通して、KLK6が脱髄と関連があることを示す結果を得てきた。平成23年度の研究では脱髄疾患の代表的疾患である多発性硬化症の動物モデルであるexperimental allergicenc ephalitis(EAE)においてオリゴデンドロサイトの反応の分子機序を検討した。 野生型およびKLK6ノックアウトマウスからオリゴデンドロサイト初代培養を行い、ミエリン関連タンパク質の発現をウエスタンブロットにて検討した。その結果myelin basicproteinは両遺伝子型での差は認めなかったが、oligodendrocyte specific proteinは著名な発現上昇が認められた。 それぞれの遺伝子型マウスにMOG由来のペプチドを免疫注射しEAEを生じさせ。免疫組織化学によりEAEの各ステージでのオリゴデンドロサイト由来の分子発現を観察した。その結果、MMP9の発現が野生型に比べ、KLK6ノックアウトマウスでは少ないことが明らかとなった。 オリゴデンドロサイトの微細構造変化を電子顕微鏡にて観察した。その結果、脱髄の過程にはT細胞等の浸潤が認められない部位においても脱髄が進行していることが明らかとなった。
|
Research Products
(4 results)