2009 Fiscal Year Annual Research Report
シナプスタンパク質ユビキチン様修飾系の生理機能と神経疾患への関与
Project/Area Number |
21500347
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
鈴木 龍雄 Shinshu University, 医学系研究科, 教授 (80162965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
棚橋 浩 信州大学, 医学系研究科, 准教授 (90236654)
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Keywords | PSD / シナプス後肥厚部 / シナプス / タンパク質修飾 |
Research Abstract |
Ufm1 修飾系は2004年に発見された最も新しいUbiquitin様のタンパク質修飾系で,詳しい解析はほとんど全くなされていない。申請者らは新規のシナプス後部タンパク質の同定と性質解明を進めるプロジェクトにおいて,シナプス後肥厚部(PSD)画分中にUfm1系に関わる分子,Ufc1(E2 様酵素)のmRNAを同定し,本研究を進めることになった。タンパク質Ufm1化の生理機能に関しては,オートファジーとの関連性は示唆されているが,具体的なデータは現在までに報告されていない。現在までに以下のことを行った。(1)UfclcDNA (AB186051), Ufml cDNAの全長クローニング。抗Ufc1抗体,抗Ufm1抗体(ともにウサギ,ポリクローナル)を作成。以上は,以降の生化学的,分子生物学的解析を行うためのツール作りに必須である。(2)ウエスタンブロッティングにて,脳内のUfc1タンパク質の存在と細胞下分画における局在を明らにした。(3)ラット組織におけるUfc1タンパク質の発現分布を明らかにした。(4)ラット神経初代培養細胞を用いて,神経細胞内のUfc1-IRおよびUfm1-IRの分布を調べ,非特異的でないと考えられるシグナルを得た。また,タンパク質Ufm1化を証明するほ乳類細胞系を構築した。(5)ラット脳およびHEK293細胞中の内在性のUfm1化タンパク質の検出を抗Ufm1抗体を用いたウエスタンブロッティングおよび免疫沈降を試み,当初,非常に微量であるが,非特異的と思われた66kDaバンドなど数種のバンドを検出したが,精査により,その特異性は非常に微妙であると現在のところ考えている。66kDaタンパク質に関しては,ほ乳類細胞発現系を用いたタンパク質Ufm1化の検証ではUfm1化はネガティブであった。従って,Ufm1化基質の同定にはまだ成功していない。
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