2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規グリア細胞由来神経栄養因子産生促進物質の生体内における有効性と作用機構の解明
Project/Area Number |
21500348
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
平田 洋子 岐阜大学, 工学部, 准教授 (50271523)
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Keywords | グリア細胞株由来神経栄養因子 / 脳由来神経栄養因子 / 神経成長因子 / C6グリオーマ細胞 / MAPキナーゼ / シクロペンテノン誘導体 |
Research Abstract |
GDNF発現誘導機構の解明:培養細胞を用いGDNF発現誘導機構を解析した結果、フェニルチオシクロペンテノン化合物のGIF-0643はPPARγに結合し、RXRと異種二量体を形成することが明らかとなった(Brain Research 1296, 196-202(2009))。さらに解析を重ねた結果、GDNFの発現誘導はPPARγ経路の活性化とは独立しており、新たに抗酸化応答配列に結合する転写因子のNrf2が関与することが示唆された。これらの結果については現在論文を投稿準備中である。また、昨年度までに、フェニルチオシクロペンテノン化合物が生存シグナルのMAPK経路を活性化することを明らかにした。しかし、種々のMAPK経路阻害剤のGDNF産生促進に対する効果を検討した結果、MAPK経路の活性化はGDNFの産生に影響を与えなかった。この結果からGDNF産生促進にはMAPK経路は関与しないことが示唆された。 フェニルチオシクロペンテノン化合物のin vivoにおける有効性の検討:GIF-0643はマウスの腹腔内投与により脳の神経栄養因子の発現に影響しなかった。今回、様々な投与条件を検討したがGIF-0643は脳内神経栄養因子の発現を誘導しなかった。GIF-0643のリード化合物であるNEPP11は腹腔内投与により標的遺伝子のひとつであるヘムオキシゲナーゼ-1の発現を誘導することが報告されている。そこで、NEPP11がC6細胞と同様に腹腔内投与によりin vivoで神経栄養因子の産生を促進するかどうかを検討中である。
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Research Products
(2 results)