2010 Fiscal Year Annual Research Report
変異型ユビキチンリガーゼを発現する筋ジストロフィーモデルマウスの開発と病態の解析
Project/Area Number |
21500384
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
今村 道博 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所遺伝子疾患治療研究部, 室長 (80221787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
万年 英之 神戸大学, 農学研究科, 教授 (20263395)
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Keywords | 酵素 / 細胞組織 / 遺伝子 / 実験動物 / 筋ジストロフィー |
Research Abstract |
最近になり,これまで不明であった筋ジストロフィーニワトリの原因遺伝子が同定され,WWP1と呼ばれるHECT型E3ユビキチンリガーゼをコードすることが示された.筋ジストロフィーニワトリではミスセンス突然変異によりWWP1のアミノ酸1残基に変異を生じること,そしてまた遺伝形式が優性であることからドミナントネガティブ効果によるWWP1機能の変化が筋症状を誘発するものと推測された.そこで我々はこの病態を分子レベルで明らかにするため,変異型WWP1を導入した遺伝子改変マウスを作製し解析することを計画した.変異型WWP1と筋変性との関係が明らかになれば未だ原因が不明な筋ジストロフィーの診断にも重要な情報を提供するものと期待される ・平成22年度は筋ジストロフィーニワトリで発見されたWWP1の点突然変異をマウスWWP1 cDNAに導入したトランスジェニック(Tg)マウ1系統を樹立した.筋変性は軽微である一方で,老齢個体では筋細胞内に多数の空胞が認められたため,筋病態と加齢との関連について解析する目的で1年齢以上の老齢マウスを作出した.現在,解析の準備が整いつつある.Gomoriトリクローム変法染色による予備的解析ではこの空胞はtubular aggregateに類似していることが示唆された ・Tgマウスにおける筋変性の分子機構を解析するために新たに抗体を作製した.WWP1分子に対する高親和性と反応特異性を得る目的で変異型WWP1の組換えタンパク質を抗原としたところ,年度末までに数種類の抗血清を得ることができた.アフィニティー精製を行う前段階であるが,抗血清を用いた蛍光抗体染色法からは変異型WWP1分子が筋細胞膜に局在する可能性が強く示唆された
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