2009 Fiscal Year Annual Research Report
血球貪食症候を主徴とするリソソーム病の新規病態モデルの確立
Project/Area Number |
21500387
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
橋本 憲佳 Kanazawa University, 学際科学実験センター, 准教授 (50242524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 雅秀 金沢大学, 学際科学実験センター, 教授 (50251450)
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Keywords | 血球貪食症候群 / リソソーム病 / ゴーシェ細胞 / 遺伝子改変動物 / 病態モデル / マクロファージ / 赤血球 / 血液疾患 |
Research Abstract |
加齢したB6;129背景のAEP KOマウスの骨髄では,形態を保った成熟赤血球を多数貪食したマクロファージが多数観察され,血球貪食症候群様の病態を示すが,ゴーシェ細胞様の形態を示すマクロファージも見られる。B6背景では,さらにゴーシェ細胞様の形態が顕著に見られることから,マクロファージによる赤血球の貪食異常と分解異常の両面から原因を探るべく,B6背景のマウス腹腔マクロファージによる検討を行った。チオグリコレートによる導出性マクロファージでは病態を説明しうる差が見られないため,常在性マクロファージによる検討を加えたが,明らかな違いは見いだせなかった。貪食させる赤血球についても末梢より分離した赤血球をオプソニン化して用いるのに加え,過酸化処理した赤血球による検討も加えたが,貪食試験や赤血球の溶血性を含め,KOマウスと対照群に大きな違いはなかった。一方,骨髄から調整したRNAを用いてマイクロアレイにより網羅的に遺伝子発現の違いを検索したところ,KOマウスではそれぞれ70~90遺伝子の発現が増加ないし減少していた。病態との関連が疑われる遺伝子も幾つか見いだせたが,さらに検索条件を変えて関連遺伝子の割り出しを行っているところである。また,腹腔マクロファージでは,病態を説明できる明確な反応が見られないため,骨髄細胞から分化因子によりマクロファージを誘導し,骨髄由来の培養マクロファージを用いて解析を進める準備を整えた。病態関連候補遺伝子の解析を含め,培養マクロファージによる検討を進める予定である。
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