2010 Fiscal Year Annual Research Report
無負荷・非接触法による骨組織の力学定数の成分選択的その場測定
Project/Area Number |
21500401
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐々木 直樹 北海道大学, 大学院・先端生命科学研究院, 教授 (40142202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古澤 和也 北海道大学, 大学院・先端生命科学研究院, 助教 (00510017)
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Keywords | X線回折 / 温度因子測定 / 脱灰骨 / ミネラル分率 / 残留応力 / コラーゲン強化機構 / 弾性率 |
Research Abstract |
当該課題と関連するテーマが2010年度、Spring-8の実験課題として採択されたので、本年度のX線実験の一部はSpring-8の放射光を利用して行った。(課題番号2010A1395 実験責任者 古澤和也)。 (1)骨および骨コラーゲンの温度因子の測定と力学定数の算出および比較 昨年度、2種類のミネラル分率の骨試料について行った、骨コラーゲン・マトリックスのd周期の温度因子測定を、種々のミネラル分率の骨試料を作成して行った。Spring-8ではSAXSとWAXD同時測定が可能な光学系を用いた(BL-40-B2)。この光学系には温度制御装置が搭載されており、測定試料は5mm角・厚さ0.5mm程度にする必要があった。種々のミネラル分率を持つ試料を用意したが、このサイズの試料では分率の空間揺らぎが大きく、完全脱灰か殆ど脱灰されていていない状態の試料と同様の測定となってしまった。実験室でのX線回折実験では、この点を注意し試料のサイズを大きくして測定を行った。ミネラル分率とともにコラーゲンの弾性率が変化している傾向は観察できたが、系統性等の詳細については現在解析中である。 (2)骨破壊領域での残留応力開放と骨コラーゲン・マトリックス強化機構のbreak down この測定では、骨試料全体の形状を保持した状態でX線回折実験を行う必要がある。実験系としては、牛大腿骨の骨幹部を輪切りにしたままの試料と、輪の一部を切り離した試料を用いた。X線を照射する予定の表面のみを部分脱灰し測定した。顕著な差は今のところ見られていない。現在詳細な実験および解析を行っている。
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