2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500427
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
浜田 賢一 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (00301317)
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Keywords | 生体用合金 / MRI / アーチファクト / 非磁性合金 / 金 / 白金 / 磁化率 |
Research Abstract |
体積磁化率が水(-9ppm、SI単位)とほぼ同じで、MRIアーチファクトフリーであるAu-28mass%Pt合金を基に、生体適合性に優れるとされる元素X(2010年7月の特許公開までは非公開とする)を加えた様々な組成のAu-Pt-X合金を試作した。それら合金のアーチファクトを評価するとともに、磁気天秤で磁化率を測定した。その結果、0から40mass%Ptの範囲でアーチファクトフリーである組成が存在すること、その体積磁化率が水に近いことを発見した。なお、これら組成の第3元素濃度はほぼ一定であった。これらアーチファクトフリー合金のうち、500℃では圧延困難であった高Pt濃度の合金を、新たに導入した熱間圧延用ロールを用いて700℃で圧延したところ、十分な圧延性を示した。一方、特に高Pt合金では1000℃でも溶体化が不可能であり、単相状態の合金の特性を評価することはできなかった。また、溶解まま材に700℃での時効硬化処理を行ったところ、低Pt合金では明確な硬化を示したが、高Pt合金では硬化が認められない組成もあった。これは高Pt合金では溶解まま状態で明確に2相あるいは3相に分離していたためと考えられた。時効硬化処理後の硬さが最も大きい合金はビッカース硬さで約220を示し、時効硬化処理後のAu-28mass%Pt合金の約140より大きく硬化した。 機械的特性評価用試験片を作製する方法として鋳造による棒状試験片の作製を試みたが、Pt濃度が20mass%以上の合金は現有の高周波誘導鋳造機では融解することができず、試験片作製を断念した。この3元合金の状態図は存在しないため融点は不明だが、より大型の高周波誘導鋳造機かアーク溶解鋳造機を用いれば、試験片作製の可能性はある。
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