2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500427
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
浜田 賢一 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (00301317)
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Keywords | 生体用合金 / MRI / アーチファクト / 非磁性合金 / 磁化率 / 金合金 |
Research Abstract |
体積磁化率が水(-9ppm、SI単位)とほぼ同じで、MRIアーチファクトフリーであるAu-28mass%Pt合金を基に、生体適合性に優れるとされるNbを加えた様々な組成のAu-Pt-Nb合金の磁化率を測定した。その結果、Au-xPt-8Nb合金(xは5から40)の磁化率が水とほぼ同じでアーチファクトフリーとなることを確認した。また、磁化率は測定できていないが、MR像からAu-50Pt-8Nb合金もアーチファクトフリーであり、Au-Pt-8Nb合金は幅広いPt濃度でアーチファクトフリー合金となることがわかった。 この合金のビッカース硬さを評価した結果、5および10Pt合金でAu-28Pt合金より50%程度高い硬さを示し、Au-28Pt合金の弱点の一つである機械的特性の向上が可能であることがわかった。Pt濃度が増加すると合金の硬さは減少してAu-28Ptと同程度となったため、機械的特性の点からは5および10Pt合金が実用化に有利であると考えられた。また、700℃での熱間圧延の結果、Pt濃度が増加すると圧延が困難であったため、加工性の点からも5および10Pt合金が実用化に適していると考えられた。 この合金は鋳造によって部材に成型することも考えられるため、アルゴン雰囲気高周波誘導加熱鋳造機を用いた鋳造性の評価を行った結果、5、10および15Pt合金は歯科用タイプIV金合金およびAu-28Pt合金と同様の高い鋳造性を示したが、20Pt合金は溶解できなかった。この点からも、Au-5Pt-8Nb合金とAu-10Pt-8Nb合金が実用化に適した合金であると考えられた。
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