2011 Fiscal Year Annual Research Report
広汎性発達障害児の聴覚過敏に対するノイズキャンセリングヘッドフォンの効果
Project/Area Number |
21500473
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
岩永 竜一郎 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (40305389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 潤 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (00304428)
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Keywords | 脳神経疾患 / リハビリテーション |
Research Abstract |
広汎性発達障害(Pervasive Developmental Disorder ; PDD)児には感覚過敏が見られることが多い。とりわけ聴覚過敏は高頻度に見られ、それによって情動や行動の問題が生じやすい。そのため、それへの対応が急務であった。 本研究の目的は、PDD児の聴覚過敏に対するノイズキャンセリング(NC)ヘッドフォンの行動の問題への使用効果について検証することであった。NCヘッドフォンは電気的に外来ノイズを打ち消す装置がついたヘッドフォンである。 対象は研究への参加に同意が得られた4歳~16歳のPDD児17名(男児13名、女児4名)であった。 まず、各対象の聴覚刺激に伴う問題行動に基づきゴール達成スケーリング(Goal Attainment Scaling ; GAS)スコアを設定した。そして、NCヘッドフォンを使用しないコントロール期間とNCヘッドフォン使用期間をそれぞれ2週間ずつ設けた。NCヘッドフォン使用期間は対象児が日常場面でいつでもNCヘッドフォンを装着することを許容した。それぞれの期間中に保護者にGASスゴアをつけてもらった。そして、両期間でGASスコアについて比較した。 その結果、聴覚刺激によって不快反応を起こすことが多かったPDD児は、NCヘッドフォン使用によってGASスコアが改善した(z=-2.533,p=0.011)。 よって、NCヘッドフォンの使用は聴覚過敏のあるPDD児の刺激に伴う行動の改善に役立つことが明らかになった。聴覚過敏のあるPDD児のあるPDD児に対するノイズキャンセリングヘッドフォンの効果を示した研究はこれまでになかったが、本研究でその効果が実証されたため、これを多くの聴覚過敏があるPDD児に適用できると考える。
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