2011 Fiscal Year Annual Research Report
24時間姿勢運動記述に基づく重度脳性麻痺児に対する姿勢支援の確立と変形予防効果
Project/Area Number |
21500489
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
佐藤 春彦 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (30274062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 剛伸 国立障害者リハビリテーションセンター研究所, 福祉機器開発部, 部長 (40360680)
横山 美佐子 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (70439149)
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Keywords | 側弯 / 脳性麻痺 / 理学療法 / 夜間姿勢保持 / 日常生活姿勢 |
Research Abstract |
脳性麻痺による運動障害は、胎児期、新生児期に生じた脳の損傷が原因であるが、先天的には骨格系の異常はない。成長につれて著明になる側弯や股関節脱臼などの体幹変形は、脳の損傷による筋緊張の左右差といった一次的な要因よりも、同じ姿勢を長時間取り続けるといった二次的な要因による影響が強いとの考えが主流になってきた。こうした流れの中で、欧米では寝たきりレベルに近い重度脳性麻痺児には、姿勢支援プログラムが勧められるとの指針も出されている。 そこで今年度は、在宅で暮らす重度脳性麻痺児の日常生活の運動と姿勢が、同じ年代の健常児と比較してどれだけ異なるのかを明らかにすることを目的とした。対象は重度脳性麻痺児15名(男性7名、女性8名、平均年齢8歳3ヶ月)と健常児15名(男性6名、女性9名、平均年齢8歳7ヶ月)であった。対象児にウエアラブルモニタを装着し、24時間の運動と姿勢を記録した。記録したデータから姿勢変化の頻度を日中と夜間の時間帯に分けて算出し、脳性麻痺児と健常児で比較した。 その結果、脳性麻痺児は夜間において姿勢変化がほとんど見られなかった(脳性麻痺児平均0.8回/時、健常児平均4.5回/時)。一方、日中は健常児と変わらない頻度で姿勢変化が見られた(脳性麻痺児平均23.2回/時、健常児平均28.0回/時)。このことは、在宅で暮らす脳性麻痺児は介助者も休む時間帯である夜間に動かず固定した姿勢が続きやすいことを示している。変形予防の介入としては、特に夜間について拘縮が進まないような姿勢支援が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
体調の変化を来しやすい重度の脳性麻痺児を対象にしているため、在宅での介入の途中で入院となるなど、予定した効果判定ができないことがある。
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Strategy for Future Research Activity |
重度脳性麻痺児の変形リスクである『固定化した姿勢』が夜間について著明であることから、就寝時に良肢位を確保する夜間姿勢ケアを生活場面への介入として導入し、その効果を検証する。姿勢ケアの導入に当たっては、快適な睡眠の妨げとならないよう、体圧分布測定を行い局所への圧集中がないか確認しながら行う。
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Research Products
(5 results)