2011 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の健康寿命延伸のための身体能力向上効果に着目したマウスガードの試作研究
Project/Area Number |
21500506
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 聡一郎 北見工業大学, 工学部, 教授 (30250541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴野 純一 北見工業大学, 工学部, 教授 (60206141)
早川 吉彦 北見工業大学, 工学部, 准教授 (70164928)
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Keywords | マウスガード / 高齢者 / 健康寿命 / 身体能力 / 下顎骨 / EMG |
Research Abstract |
歯学における顎口腔領域では、補綴・咬合が健康状態や身体能力に影響を及ぼすという臨床的報告はなされているものの、その効果発生メカニズムは明らかにされていない。これまで、身体能力向上については、とくに背筋力や握力などの等尺性筋力の向上効果や重心動揺の減少など一部の臨床的報告がなされている。マウスガードが身体能力向上に及ぼす影響を定量化し、メカニズムを工学的に解析することで、高齢者の身体能力向上を図り健康寿命の伸長を目指す。歯科医師会との地域共同プロジェクトとして新しい発想によるマウスガードを開発するため、研究メンバーがこれまでに構築してきた工学的手法を応用して身体能力向上メカニズムを解明するとともに、高齢者に有用な設計について検討する。これまでに、等尺性筋力では背筋力に顕著な向上効果が認められ、等張性筋力では上肢の運動であるベンチプレス、ならびに下肢の運動であるレッグプレスともに、初期加速時において顕著な運動速度向上が認められた。 当該年度は、筋力向上効果のメカニズムを解明し、高齢者の健康寿命延伸を目的としたマウスガードの新たな設計を明らかにする。等尺性筋力で有意な差が認められた背筋力の向上効果に的を絞り、主導筋である僧帽筋の上部の筋活動と、マウスガードを装着することにより変化する顎口腔領域周辺の筋肉の筋活動との関連をEMGを用いて実験的に計測した。その際、口腔内における咬合圧分布、ならびに咬合面積についても同時に計測した。その結果、僧帽筋の筋活動と咀嚼筋群の筋活動、ならびに咬合圧との間に、強い相関は認められなかった。その一方で、顎二腹筋との間には比較的強い相関が認められたため、マウスガードを装着することにより、下顎骨の固定状態が変化し、頸部周辺の筋活動の変化が力学的に主導筋である僧帽筋の筋活動に影響を与えた結果、背筋力が向上したと予想された。そのため、背筋力を向上するマウスガードには、最適な厚さがあることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)