2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500621
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
田中 守 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (00163577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
檜垣 靖樹 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (10228702)
田中 宏暁 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (00078544)
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Keywords | 無酸素性走パワー / メディシンボール投げ / 筋力発揮 / 間欠的発揮能力 / ハンドボール選手 / コンタクトフィットネス / 血中乳酸 / 心拍数 |
Research Abstract |
コンタクトスポーツにおけるボディコンタクトの継続性やその耐性など、コンタクトフィットネスのとらえ方に着目し、現場で有用な複合的体力測定法を研究する目的で、3年目の平成23年度は、平成22年度の結果を踏まえて、同様の測定方法に生理的負担度として運動中の心拍数と血中乳酸濃度の測定を加えた。なお、測定方法はフィールドテストとして有用な20mシャトル走(往復40mスプリント)を無酸素性走パワーの指標とし、短いインターバル中に筋力発揮を行わせた間欠的発揮方法である。 大学男子ハンドボール選手19名を対象に、有酸素性作業能として12分間走、無酸素性作業能として20mシャトル走、筋力としてベンチプレス、ハイクリーン、ハーフスクワットの各最大筋力を測定した。走、投パワーの間欠的発揮能力として、20mシャトル走を30秒ごとに8セット繰り返しその走行タイムを光電管にて各セット計測するとともに、インターバル中に5kgのメディシンボール投げを2投行わせその飛距離を各セット計測した(測定I)。日を替えて、測定Iと同様の方法に加え、インターバル中に30kgのサンドバッグを持ち上げ5m移動させることを入れた測定も実施した(測定II)。なお、測定中に心拍数を継続的に測定、血中乳酸を走行直前と走行後2分ごとに5回測定した。 インターバル中に筋力発揮を伴わない場合、間欠走の走パワー低下は約12%であったのに対し、筋力発揮を伴った場合は約19%となり、有酸素性作業能と筋力のいずれも優れる選手にはその差がみられなかった。なお、運動中の心拍数と運動後の最大血中乳酸濃度については、筋力発揮の有無による差は見られなかった。一方、投パワーの低下は筋力発揮なしで約12%、筋力発揮ありで約17%となり、有酸素性作業能と筋力のいずれも劣る選手にその差がみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、さまざまな筋力発揮方法の影響も考えていたが、測定方法の規定が困難であることから、比較的シンプルな筋力発揮にすることにより現場で有用な測定評価法が固まりつつある。昨年度末にも、最終の測定評価法を作成するための予備実験を行っており、最終年度の平成24年度で概ね終了の見通しである。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の「コンタクトフィットネスの測定評価法」は、従来のシャトルランテストを一部改良したyo-yo intermittent recovery test(Bangsbo,J.,1996)をベースに、さらに筋力発揮や方向変換走を加えた改良法として多くの球技スポーツで活用できると考えられる。今後の継続研究として、本法の有用性を確かめること、異なるタイプのコンタクトフィットネスについても検討することが挙げられる。さらには、スポーツ種目特性を考慮した測定評価法の検討も必要となるであろう。
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