2010 Fiscal Year Annual Research Report
運動不足による筋量減少の分子機構:筋量決定サイトカインの新規活性化酵素の発見
Project/Area Number |
21500632
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
奥村 裕司 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (70294725)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二川 健 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20263824)
中屋 豊 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (50136222)
|
Keywords | 筋量決定サイトカイン / 膜結合型プロテアーゼ / 筋萎縮 |
Research Abstract |
運動不足による筋量減少には、筋量決定サイトカイン(ミオスタチン)分子の活性化が必須と考えられている。このミオスタチンは細胞膜上でプロテアーゼによる活性化を受け、自己または周囲の細胞に作用し筋管形成を阻害する。そこで筋細胞膜局在のプロテアーゼに着目しプロテオミクス解析したところ、新規活性化酵素(MSPL)を発見した。本研究では、この膜結合型セリンプロテアーゼ(MSPL)の機能を詳細に解析することで、筋量減少の分子メカニズムの全容解明に迫る。具体的には、1)MSPLおよびミオスタチン安定発現細胞株を用い、機械的ストレスに対する応答性の変化を、MSPL活性や発現量および活性型ミオスタチン量を指標に解析する。2)筋活動によりMSPLと細胞外マトリックス間に生み出される「ずり応力」と活性型MSPL量の変化を構造変化とともに明らかにする。3)MSPLノックアウトマウスが筋萎縮に抵抗性を示すことを実証する。本年度は、昨年度に引き続き培養細胞レベルでの機能解析を主に行った。野生株を比較対照に、MSPL安定発現細胞株を模擬微重力環境で培養し、重力ストレスによって変化した活性型MSPL量の変化に依存し、Processingされたミオスタチン量が変化し、細胞の分化様式に影響を与えることを明らかにした。すなわち、ミオスタチン活性の制御はMSPL活性の阻害で制御しうることを証明した。現在は、安定発現細胞株を用いてMSPL活性阻害剤の効果を評価中であり、より特異的性の高い阻害剤の同定を試みている。さらに、RNA interference (RNAi)法によるMSPL遺伝子のノックダウンが、細胞増殖・分化様式に与える影響(機械的ストレス抵抗性)も安定発現細胞株を用いて評価している。また、MSPLの構造解析ならびにノックアウトマウスを用いた解析も現在進行中である。
|
Research Products
(9 results)