2011 Fiscal Year Annual Research Report
運動不足による筋量減少の分子機構:筋量決定サイトカインの新規活性化酵素の発見
Project/Area Number |
21500632
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
奥村 裕司 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (70294725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二川 健 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20263824)
中屋 豊 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (50136222)
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Keywords | 筋量決定サイトカイン / 膜結合型プロテアーゼ / 筋委縮 |
Research Abstract |
運動不足による筋量減少には、筋量決定サイトカイン(ミオスタチン)分子の活性化が必須と考えられている。このミオスタチンは細胞膜上でプロテアーゼによる活性化を受け、自己または周囲の細胞に作用し筋管形成を阻害する。そこで筋細胞膜局在のプロテアーゼに着目しプロテオミクス解析したところ、新規活性化酵素(MSPL)を発見した。本研究では、このMSPLの機能を詳細に解析することで、筋量減少の分子メカニズムの全容解明に迫る。具体的には、1)MSPLおよびミオスタチン安定発現細胞株を用い、機械的ストレスに対する応答性の変化を、MSPL活性や発現量および活性型ミオスタチン量を指標に解析する。2)MSPLノックアウトマウス(KOマウス)が筋萎縮に抵抗性を示すことを実証する。本年度は、昨年度に引き続き培養細胞レベルでの機能解析を行うとともに、MSPL-KOマウスを用いた解析に取り組んだ。ミオスタチン安定発現細胞株を用いた解析では、MSPL活性阻害剤の効果を評価した。ミオスタチン安定発現細胞株は分化誘導に応じず、分化抑制が認められたが、MSPL活性の阻害により一部分化抑制の解除が認められた。つまり、ミオスタチンの活性制御はMSPL活性の阻害で制御しうることを証明した。KOマウスを用いた解析では、マウスを坐骨神経切除術に供し、模擬微小重力環境を後肢筋で再現した。その際、骨格筋組織の応答性(筋湿重量の変化)やミオスタチンタンパク質の発現変動を経時的に評価した。当初、MSPL-KOマウスではミオスタチンの活性化が起こらず、筋萎縮に抵抗性を示すと考えたが、筋湿重量の変化では、野生型マウスと比べ有意な差は見られなかった。しかしながら、検討個体数はわずかに各経過日で1匹であり、今後個体数を増やして再現性を確認する予定である。また、ミオスタチンタンパク質の発現変化と活性化状態に関しては、現在解析中である。
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Research Products
(6 results)