2011 Fiscal Year Annual Research Report
伸張性収縮による筋発揮張力の減少とその後の回復に筋小胞体機能変化は関与するか?
Project/Area Number |
21500634
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
松永 智 宮崎大学, 教育文化学部, 教授 (70221588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 正信 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (80220961)
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Keywords | 伸張性筋収縮 / 筋収縮力 / 筋小胞体機能 / Na^+-K^+-ATPase活性 |
Research Abstract |
活動性の筋疲労、特に短縮性収縮による収縮力の減退は、筋小胞体の機能不全がその大きな要因であることが知られている。筋が引き伸ばされながら力を発揮する形態の伸張性収縮が行われると、筋発揮張力の直後の減少だけでなく2~3日後に遅発性の筋痛が生じることなどから、短縮性収縮とは異なる筋疲労の発生メカニズムが存在すること明らかになってきているが、不明瞭な部分も残されている。そこで本研究では伸張性収縮における筋発揮張力と筋収縮機能変化との関係について検討する。平成23年度は、伸張性の収縮回数の違いのみならず、1回の収縮にかかる時間を変化させ[4秒収縮(1秒収縮・1秒弛緩・2秒休息)あるいは2秒収縮(1秒収縮・1秒弛緩・0秒休息)]、一回の収縮弛緩時間の違いが発揮張力の減退に及ぼす影響を興奮収縮連関の機能障害に着目し検討した。平成21・22年度で得られた結果を鑑み、新たにWistar系雄性ラット30匹に伸張性収縮を負荷した。右脚膝関節角度30~180°で電動式脚伸展装置により電気刺激を伴う脚伸展を、それぞれ筋収縮を100,200,300回行わせた。なお、左脚は対照脚とした。筋収縮終了直後、長指伸筋及び前脛骨筋を分析に供した。最大等尺性収縮力は4秒収縮及び2秒収縮とともに、全ての収縮回数において対照脚と比較して有意な減少が確認された。しかしながら、収縮回数が同じ場合、4秒収縮と比較して2秒収縮によるその減少は顕著に大きかったことから、1回の収縮に要する時間の違いによる筋収縮機能の減退メカニズムに差異があることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
伸張性収縮と等尺性収縮との様式の違いによる筋収縮機能の減退メカニズム(筋線維膜の興奮性)に差異があることが確認されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度はまず、4秒収縮(1秒収縮・1秒弛緩・2秒休息)あるいは2秒収縮(1秒収縮・1秒弛緩・0秒休息)の伸張性収縮に伴う興奮収縮連関の機能変化について生化学的及び生理学的に検討する。特に、筋小胞体機能及び筋線維膜興奮性に着目し検討を行っていく。
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