2010 Fiscal Year Annual Research Report
青少年の生活習慣病予防医療を目的とした地域連携型研究・教育システムの構築
Project/Area Number |
21500650
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
本郷 実 信州大学, 医学部, 教授 (40209317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 健一 信州大学, 医学部, 教授 (40143979)
日高 宏哉 信州大学, 医学部, 准教授 (10362138)
阪口 しげ子 信州大学, 医学部, 教授 (90126863)
廣田 直子 松本大学, 人間健康学部, 教授 (60218857)
市川 元基 信州大学, 医学部, 教授 (60223088)
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Keywords | 青少年 / 生活習慣病 / 学校健診 / 健康教育プログラム / 血清尿酸 / 脂肪肝 / 地域連携社会啓発活動 |
Research Abstract |
科研費補助金交付2年目は、長野県内3中学校の学校健診で従来の調査研究を継続し、以下の実績を得た。 1. 科学的エビデンスの構築:日本人男子一般中学生では、血清尿酸値と複数の生活習慣病の存在との間に強い関連がみられ、複数の生活習慣病を合併する血清尿酸のカットオフ値は、男子6.4mg/dL、女子4.9mg/dLと決定された。また、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)の頻度は中学生の約4%であり、肥満、運動不足との密接な関連が明らかとなった。さらに、NAFLD/非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の早期発見には、血清ALTの測定が推奨されることを提唱した。以上の結果は、一般中学生の血清尿酸基準値設定ならびに生活習慣病予防の教育プログラムの開発に有用と考えられた。 2. 社会啓発活動(信州大学医学部「青少年のメタボリックシンドロームを考える」研究会):1)第5回学術講演会開催(パネルディスカッション「子どもたちの健康を守るために、関係者の連携、家庭への働きかけをどう進めるか」、特別講演:「ライフスキル形成に基礎をおく食生活教育一健康的な生活習慣形成をめざして一」)、2)第24回松本市健康フェスティバルで医療チームによる「家族で予防生活習慣病:ミニドックから健康相談まで」出展(親子の身体測定、血液検査、個別の結果説明、食事・生活指導)、3)2つの中学校で「出前クリニック」実施(医療チームによる健康教室での集団指導の他、食事・生活の個別指導)、4)研究会のホームページ開設、5)信州大学医学部附属病院に新たに設置された近未来医療推進センターに、“生活習慣病予防外来”を開設した、6)生活習慣改善、生活習慣病予防並びに健康増進のための科学的根拠に基づいた"信州発"健康教育プログラム(本郷実編)を発刊し、長野県教育委員会を通じて県内全ての小・中・高等学校、教育機関に配布した。 3. 受賞:以上の取り組みが評価され、1)第50回日本臨床化学学会学会賞「MALDI-TOFMSと特異酵素定量法による血清リン脂質分子分析法の開発」(日高宏哉)、2)平成22年度「長野県食育推進研究大会」食育貢献団体会長賞(社団法人長野県栄養士会中信支部(研究会メンバー))、3)平成22年度公益財団法人痛風財団優秀論文賞「一般中学生の高尿酸血症と生活習慣病との関連.痛風と核酸代謝33:17-26,2009.」(本郷実)を受賞した。
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