2011 Fiscal Year Annual Research Report
血液凝固線溶系を指標とした幼児期からのメタボリックシンドロームの予防に関する研究
Project/Area Number |
21500680
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
堀米 仁志 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (50241823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鴨田 知博 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (50224704)
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Keywords | メタボリックシンドローム / 小児肥満症 / 血液凝固線溶系 / アディポカイン |
Research Abstract |
【目的】小児期におけるメタボリックシンドロームの構成因子と血液生化学・アディポカイン・凝固線溶系データとの関連を検討した。【対象と方法】本人及び保護者の同意が得られた茨城県A市の小学4年生、中学1年生998名(男児515名、女児483名)を対象とし、身長・体重・腹囲・血圧・各種血液データ(TC、HDLC、ALT、UA、レプチン、FBG、トロンボモジュリン)の測定を行った。登校時刻等との関係で空腹時採血は困難だったため、食事に影響されやすい血糖・中性脂肪値の検討は行わなかった。【結果】対象を男児・女児の2グループに分けて検討した。男女ともに腹囲・BMI・収縮期血圧・HDLCとALT・UA・レプチン・FBGとの間に有意な相関を認めた。メタボリックシンドロームの構成因子(腹囲80cm以上(小学生75cm以上)、HDLC40mg/dl未満、収縮期血圧125mmHg以上かつ/または拡張期血圧70mmHg以上)の数別の分析では、構成因子数0・1・2・3個の人数はそれぞれ男児:302・169・41・3人、女児:332・127・24・0人であった。構成因子数別の平均±標準偏差はTC(mg/dl):男児172.5±28.2、174.5±28.8、179.4±29.7、175.0±42.5、女児175.1±25.1、180.1±26.2、183.9±34.8、ALT(IU/L):男児13.7±4.1、18.2±12.7、28.8±18.8、46.3±44.3、女児11.7±4.2、12.5±5.7、20.4±18.4、UA(mg/dl):男児4.4±1.1、5.0±1.0、5.3±1.2、7.7±1,5、女児4.1±0.8、4.3±1.0、5.0±0.8、レプチン(ng/ml):男児1.9±1.3、4.5±3.9、9.9±4.4、11.7±10.0、FBG(mg/dl):男児232.0±42.5、254.4±43.6、282.2±59,2、275±25.2、女児244.9±46.9、253.5±46.1、279.9±43.5、トロンボモジュリン(U/ml):男児3.1±0.6、3.1±0.5、3.2±0.5、2.7±0.3、女児2.7±0.5、2.7±0.6、2.6±0.6であった。メタボリックシンドロームの構成因子数が多いほどALT、UA、レプチン、FBGが有意に高値を示した。【結論】学童において、メタボリックシンドロームの診断基準を満たさなくても、その構成要素と血液生化学・アディポカイン・凝固線溶系データには関連があり、メタボリックシンドロームや心血管疾患の起源が小児期にあることを示唆する結果と考えられた。
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Research Products
(2 results)