2009 Fiscal Year Annual Research Report
加圧空気負荷での脂質代謝改善機構解明によるメタボリック症候群新規治療法の探索
Project/Area Number |
21500685
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
保坂 利男 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (60403698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中屋 豊 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (50136222)
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Keywords | 高圧酸素療法 / 脂質代謝 / 糖代謝 / フディポカイン |
Research Abstract |
肥満2型糖尿病マウス(db/dbマウス)に対しての高圧空気療法(Hyper Baric Air:HBA)の生理学的効果を検討した。高圧処置(酸素カプセル)8週負荷によりdb/dbマウスの血清中性脂肪、遊離脂肪酸の有意な低下を認めた。糖代謝に関して経口血糖負荷試験、インスリン負荷試験をおこなったがコントロールに比べて優位な変化は認めなかった。糖脂質代謝に関与しているアデイポサイトカインであるLeptin,Resistin,adiponectinには変化は認めなかったが、炎症性サイトカインのTNFα,MCP1の有意な低下を認めた。HBA効果の組織学的、分子生物学的検討のため、血清脂質値に有意差を認めたHBA処理後8週目のマウスの解剖を行い、糖、脂質代謝に重要と考えられている骨格筋、肝臓、脂肪組織での遺伝子発現解析をおこなった。骨格筋、肝臓でのベータ酸化関連因子CPT1,PPARα,PGC-1のmRNA発現が有意に増加した。ここまでの結果をまとめて論文報告をおこなった(Teshigawara K,et al.The journal of medical investigation 57 2010 in press)。 HBA処置により摂餌量が有意に多いのに体重に有意な変化は認めていないことから、今後エネルギー代謝に関与しているUCP1,UCP3,AMPKの組織ごとの発現をRT-PCRおよびウエスタンブロット法で確認する。HBAで変化するタンパクの網羅的検索のためDNA microarrayをおこない、現在micorarrayで有意に変化していると考えられた遺伝子が実際にHBA処置で有意に変化しているかの確認をおこない、鍵蛋白についてインスリン感受性への関与を培養細胞で検討する予定である。
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Research Products
(2 results)