2011 Fiscal Year Annual Research Report
中学校・高等学校家庭科における「衣生活の安全・安心」を意識した指導の検討
Project/Area Number |
21500710
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
今村 律子 和歌山大学, 教育学部, 教授 (00176504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤松 純子 和歌山大学, 教育学部, 教授 (40141709)
山本 奈美 和歌山大学, 教育学部, 准教授 (20351934)
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Keywords | 衣生活 / 安全・安心 / 高齢者 / 着方学習 |
Research Abstract |
本研究では、中学校・高等学校家庭科の衣生活および被服にかかわる内容を「安全・安心」の視点で精査すると共にその視点を有する授業の提案を目的とする。今年度は、最終年度の位置づけとして、中学1~2年生時に、衣生活の「安全・安心」及び衣生活から住生活を焦点とした「安全・安心」の授業を受けた中学3年生を対象として、具体的な生活場面を用いた「ヒヤリハッと調査」を実施した。この調査と授業時のワークシートや定期テストなどを用い、総合的に、授業の学習効果について検討した。中学校1年生から着衣着火の危険性を学習し、高齢者と家庭生活における安全を意識した生徒たちは、それ以外の生徒と比較して、生活の安全を自分だけのことと考えるのではなく、家族の構成や一般高齢者まで広げて安全な生活について配慮することができることが明らかとなった。これは、家庭科の授業だけでなく、中学校全体に障がい生徒を有し、弱者への配慮に関して学校での取り組みを実施している中学生と同等の意識であることがわかった。 加えて、小学校家庭科における衣生活内容を健康の視点から見直した。すなわち、もの作りの単元となっていた布の性質・構造に関する学習を着方学習(季節や気温に応じた衣服)の中に入れ、「空気(動く空気と動かない空気)」をキーワードとすると衣服の手入れまでの学習に流れのある教材とすることが可能であることを提案した。これら一連の授業計画の中で、実験など視覚情報として有効となる教材も作成した。 今後は、衣生活から環境や消費生活へと発展する教材開発を検討する必要性を感じる。
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Research Products
(2 results)