2010 Fiscal Year Annual Research Report
消費者による協同組合運動の大規模化・広域化に関する日・英比較研究
Project/Area Number |
21500721
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
杉本 貴志 関西大学, 商学部, 教授 (90319608)
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Keywords | 協同組合 / 生協 |
Research Abstract |
日本とイギリスにおける生活協同組合の歴史と現状について、大規模化と連合化という側面を中心に調査・研究・考察を行い、2010年度は以下のような成果を得た。 (1) そうした大規模化と連合化=二重権力化が、協同組合における民主的なガバナンスに対していかなる影響を与えるのかについて、口頭報告を行うとともに、論考を発表した。大規模化した組織においては、小規模組織に比べて民主的な意見の集約や意思決定を維持することが困難となることはいうまでもないことであるが、生活協同組合の事業連合化において端的に示されているように、二次的な組織があらたにつくられ、実質的にはそこで事業が遂行されるようになると、協同組合民主主義はそれ以上の困難に直面する。 (2) とくに大阪に焦点をあてて、明治以来の生活協同組合運動史を、組合員民主主義や連合会の盛衰を視野に入れてまとめる論考を発表した。生協不毛の地といわれてきた大阪においても、消費者による注目すべき協同組合運動が展開されており、とくに行政との関係や連合会の結成について、ユニークな史実が見出された。
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Research Products
(5 results)