2011 Fiscal Year Annual Research Report
戦後の家庭用電化製品と食卓の使用実態と変遷に関する研究
Project/Area Number |
21500734
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石村 真一 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 教授 (20294994)
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Keywords | DVD / ダイニングルーム / 台所 / 家庭用電化製品 / 居間 / 映画 / 起居様式 / 食卓 |
Research Abstract |
本年度は、VHS、DVDの映画で、本数が不足していた1970年代から1990年代の作品を中心に補充し、5年前から購入している作品が900本以上に達した。 食卓の使用方法については、1960年代までは、富裕層に椅子坐で食事をする方法が見られるが、1960年代からは公団住宅の場面、中流層の家庭でも広く普及する。とりわけ、マンションのような集合住宅では普及率が高い。しかしながら、前年の報告書でも述べたように、日本の注宅は、ダイニングルームの位置づけが欧米とは異なり、朝食はダイニングルームでとっても、夕食は居間の座卓でとる、お客さんが来たら居間または座敷の座卓にて大人数で食事をとるといった和洋折衷式の食事空間となることが多い。1960年代から1970年代初頭に製作された『若大将シリーズ』はその典型的な作品である。1980年代後半より、洋室床坐が少しずつ映画にも登場し、1990年代からは若者が住むワンルームマンションに普及する。 家電に関しては電気炊飯器を中心に研究を行った。1955年に開発された電気炊飯器は1957年あたりの映画から見られるようになり、おひつを併用して食事をしている。次に電気炊飯ジャーが開発され、1970年代半ばの食事場面からおひつがなくなっていく。そして1990年代から角丸形状の電気炊飯器に転換していく。1965年辺りまでは台所の中心的な道具であったが、1970年代以降は、食卓の近くに置かれている場面が多い。すなわち、炊飯機能よりもジャー機能を重視するような演出で映画ではもちいられているのである。
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Research Products
(2 results)